【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part６＞

２６７羽 ページ20

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「へぇ、ユースになぁ〜！」
「しかもそれを断るとか……。」



奇跡的なことに4人は向かうところが一緒だったらしく、一緒にそのショッピングモールへ向かっていた。道中、Aがここにいる理由とユースについての話をする。夜久は感心したように言ったが、黒尾は形容し難い笑い声でAが合宿を断ったことを腹を抱えて笑った。




「にしても影山……アイツジャパンか！！」
「まあ技術は化け物だしね。」




3年2人の空気に場違いに、リエーフが興奮したように言う。それに孤爪があくまでに意見を述べた。ユースに召集されたことをジャパンと言う辺り、日向と似ている。流石は単細胞。



そうこう会話をしているうちにショッピングモールへついた。同じスポーツ用品店に行きたいらしく、そこまでも一緒に行く。



「あ、音駒代表枠残ったんですよね。どんなところとやったんです？」
「梟谷と戸美。梟谷に負けて戸美に勝ったんだ。」



黒尾がにっと笑った。その言葉の中に出てきた戸美という単語に、Aは妙に聞き覚えを感じていた。



「(……あ、あー。蓮君のところか。)」



蓮君、というのは戸美に通う高3の男のことだ。Aからしたらいとこに当たる人物である。幼い頃はよく親と東京へいって一緒に遊んでいたな、と昔を懐かしんだ。




「確か戸美に親戚が通ってた気がします。」
「お、まじ？バレー部？」




夜久が少しだけ興味ありげにきいた。Aは少し昔の記憶を手繰り寄せる。最後に会ったのは中2の夏休みだ。そのとき彼は……坊主で野球部なんだといっていた気がした。



「あ、いえ。多分野球部です。けど……たしか……。」



更に更に昔の記憶まで思い返した。東京へいっていとこと遊んでいたとき、よくいとこと一緒にいる少年がいた。よくよく考えればいとこの友達、向こうからしたら友達のいとこという妙な関係であるというのに、当時はその少年とも仲良くなり、よく3人で一緒に遊んだ。

最後に東京へ行った中2の夏休みの時、彼はまだAのいとこと一緒に居た。2人とも高校は戸美だといっていた。そのときの少年が常に持っていたのは――バレーボール。



「友達って言うか、顔見知りならいます。バレー部に。」
「へー。それってどんな――」



黒尾はそこまで言って言葉を止めた。そして目の前をじっと見つめていた。



「……あ。」



いた、と脳内で呟く。……妙な関係の友達であった男が。





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