【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part６＞

２７８羽 ページ31

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「Aちゃんともしばらくお別れやな〜！」


解散後、Aの元にやって来た数名の選手。その数名の1人である宮は相も変わらず感情の読めないニコニコとした笑顔で言う。ですね、と軽く返すと、「次は春高か〜。」と若干名残惜しそうに古森が言った。



「案外すぐですよ。」
「ん、それもそーだな！」



そんな古森に少し笑みを向けた後、影山のほうに向き直る。影山はその視線に気づいてはっとした風に反応した後、「んだよ。」とふてぶてしく言った。

そんな素直じゃない影山にため息交じりに笑いながら、少し高い位置にあるその頭に手を伸ばし、そのまま頭に手を置いてぽんぽんと叩きながら告げる。



「頑張れ。」



すると影山は若干硬直し、すぐにそっぽを向きながら「おう」と答えた。……若干赤くなった頬には突っ込まないことにしてやろう。


の光景を見ていた選手達は驚いた様子で目を見開く。それもつかの間、「飛雄くんだけずるいわ。俺も！」と宮が少しかがみながら言った。特に害はないために少々首をかしげながらもその頭に手を伸ばし、「が、頑張ってください。」と若干戸惑い気味に言った。


「俺も俺も〜！」と古森、「お、俺も……！」と星海。頭をなでて言葉を送ると、古森は「きたぁ〜！頑張れる〜！」と笑顔でピョンピョンと跳ね、星海はプルプルと震えて俯きながら耳を真っ赤にさせていた。



それに便乗するように、Aと話せる最後の機会であると勇気を振り絞って全く話したことのないのにねだるつわものも現れた。

流石にもう居ないであろうと思っていると、意外な人物が「俺も。」と声を上げた。そこに居たのは佐久早で、あまりの驚きにAは硬直する。

周囲のものはAに撫でられエールを貰った嬉しさに興奮気味でその光景をあまり見ていなかったが、それを見た古森や宮は「おぉ。」と心底意外なものを見た、とでも言いたげな顔をしている。そして古森は絶対いつかこのことについて問い詰めようと決めた。(番外編集part2,70羽参照)



実は昨夜少々お世話になった佐久早。そのおかげで若干親密になった。(番外編集Part2,68羽参照)
そのこともあり、特に躊躇することもなく頭に手を伸ばす。



「明日も頑張ってくださいね。」
「……ん。」



建物の外まで大勢の選手が彼女を見送る。そしてコーチの1人である男の車にのって、味の素ナショナルトレーニングセンターを後にした。




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