２５３羽 ページ4
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「初めましてやね、白鳥沢の白鳥サン。」
解散してすぐ、Aは背後から声をかけられた。振り返ると、左側だけ刈上げられている金髪の男が居た。どうにも胡散臭い笑みを張り付けたその顔は記憶にある。
「(稲荷崎2年、宮侑さん。)」
彼の名前をしっかり思い出してから、彼に体ごと向き直って「初めまして、宮さん。」と軽く会釈をする。何が可笑しかったのか、「宮さんねえ、」と笑っている彼に訝しげにしていれば、笑顔のままに彼は言った。
「堅苦しいわ、名前で呼んでや。」
「え、でも年上……。」
「ええよ、気にせん。」
にこにこと笑顔を浮かべている宮はどこぞの猫の主将を思わせる。どうも苦手だと本能的に感じた。けれど流石に初対面で年上、普段の煽り好きで可愛くない態度をとるわけにはいかない。
「……あ、侑クン？」
あまり男を下の名前でクン付けすることがないため、どうしてもどもってしまう。そんなAの様子をうけて面白そうにくすくすと笑ったあと、宮は「そうそう、それでええよ。」と告げた。
「そや、LINE交換しよーや。」
「え、」
会話の主導権を握られ、ほとんど流れでLINEを交換してしまった。こんな経験初めてでなんか屈辱的だなと内心で思いながら、LINEに追加された侑という名前の人物とのトーク画面を見つめる。
去っていった宮の背中を眺めていたら、またも背後から声をかけられた。
「ねえ白鳥。お前なんで烏野にいるの。」
この独特な調子に背後に居る人物を察して振り向く。
「あまり詮索はなしですよ、サクサさん。」
「……ふーん。」
振り返った先に居たのはやはり佐久早だった。相も変わらず活力のない目をこちらにむけている。愛想はないが彼のようなタイプのほうがまだ話しすい。少なくとも宮よりは。
「中学時代は若利くんに仕えてたのに高校になったら敵になるって……変なの。」
「さあ。私は私の本能の動くままに行動しただけです。」
煽り好きの性分が出た小憎たらしい笑顔のAに、佐久早はむっとした表情をみせた。かと思えばその表情でじとりとこちらを睨み付け負のオーラを纏ったまま喋らない。どうしたものかと思っているとどこからともなく影山に「A！」と呼ばれた。
ありがとう飛雄……！と心の中で盛大に影山に感謝する。そして「じゃあ失礼しますね。」と、影山に呼ばれたことを口実にAはその場から逃げ出した。
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか？？お話がすごい気になります！！ (2021年7月31日 1時) (
レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません？なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます！面白いだなんて畏れ多い…！凄く励みになります…！御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω｀) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます･･･！お待ちいただいてありがとうございました！楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω｀) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですｗそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです！ (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(｀_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2016年12月23日 21時
