【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part６＞

２６１羽 ページ14

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1、2セット目どちらも選抜チームが破れ、既に選抜チームは2回フライングをこなした。まあ、想像通りだ。



「先輩たち強いね。お疲れ。」



Aがドリンクとタオルを渡すと、黄金川はそれをありがたそーうに受け取ってから真っ赤な顔のままに言う。



「で、でも！！次は勝てる気がする！！」
「気のせいじゃん？」
「いやでもブロック触るようになってきたし！」
「ブロック揃うと後ろが大分分かり易いわ。うちにもみならわせねえと。」



前向きでひたむきなその会話がなんだか嬉しい。試合直後のフィードバック、それは事故の成長のためにも必要だ。



「そうだなぁ……次はスパイクで攻めてみる？」
「いや、今のスタイル大分安定してねぇか？」
「でも確かに攻撃がちょっともろいよね。ゲスブロックの人とか手ごわいし。」



金田一、国見がAに返す。その言葉を受けて、「うーん。」とAは頭をひねった。



「……あれ、でも次ゲスブロックの人も出ないみたいだぞ。」



黒石が得点ボードを見ながら言ったため、4人もそちらを見ると得点ボードにもたれかかるようにして完全にOFFモードの天童が居た。守備の要がいない今が絶好のチャンス。



「……よし。じゃあ攻撃強化で行こうか。」
「だな。」
「きちー……。」



やってやる！とでもいいたげにやる気を見せている金田一と、攻撃が増えることのしんどさを考えて俯く国見。この正反対な二人と他のメンバーを及川さんよくまとめてたな、なんて少しだけ思った。



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試合は流れるがリードが取れない。それでも、選手達の成長には目覚しいものがあった。



「(国見くん、先輩達のスパイクにちゃんと反応できてる。黒石くんの技術も凄いな……センスで言えば西谷さん級かもしれない。)」



スキルアップさせたい所だらけだ。伸びしろだらけで、マネージャーであるAもわくわくしてしまう。それほどにこの合宿へきてよかった思えた。



「(ユースが貴重な経験になることは分かってる。けど後悔はない。むしろ間違ってなかったと思う。)」



コートで戦う選手達を見たら尚更に強くなるその思い。無意識に強く拳を握っていた。



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「ありがとうございました！！」
「したー！」

「じゃあ工、Aちゃん、またくるね〜！」
「ハイッ！」
「ありがとうございました。」


2日目の練習の終了とともに、3年生達は体育館を去っていった。




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