54話 ページ4
「っゔぁ゙ッ……ぁ゙…」
ドッ……と横から何ががぶつかり、刃が首に当たることはなかった
ただ それが
誰かの呻き声と共に地面に倒れた。
何―――――
…うそ
嘘だ
なんで
「ッゾムさん!!!」
その場に蹲り荒い呼吸を繰り返していた
絨毯に滲んでいく大量の血
顔を両手で覆い苦しい声を上げている
ボタボタと血液の流れ落ちる音が止まない
「い、ぅあ゙、ぁ……ッ」
『ゾ、ゾムさん、傷を――――――
息も思考も止まった
まさか
嫌だ、そんな
なんで庇ったの
これも幻だと思いたい
ゾムさんの――…両目を斬るように
その血まみれの顔には深い傷ができている
ただ苦痛に喘ぐ声と
幼稚な私の泣き叫ぶ声だけが響いていた
『いやだッゾ、ゾムさ……う、そ、なんでっ
「落ち着け!!!」
「…俺にはもう
『―――や、それ じゃ、コネさんは
「俺はなんとかする!!ゾムと…シャオロンのとこへ行ってくれ!!」
私とゾムさんの下に魔法陣が浮かび上がる
私達を転送させる気だ
「頼んだぞ……死んだら、すまん」
『ま、待って
せめて魔力を渡そうと思った。
…間に合わなかった
おそらく、転送中のどこかの空間へ魔力を捨ててしまった
地盤が激しく揺れる
転送魔術は、転送先が遠ければ遠いほど酔いが酷くなる
魔術本にはそう載っていた
恐ろしいほど距離のあるあの街へ正確に飛ばされたのなら
酔う、どころじゃすまないだろう
曇った空が見えた
『ぅ゙―――――…っい゙ぁ…』
凄まじい吐き気と頭痛。
あまりの辛さに倒れ込んだ
……コツ、と足に何かが当たる
歪む視界で、それを必死に捉えた
―――看板。
ゾムさんが蹴り飛ばし、全員で制作者に責任転嫁をして逃げたあの道だ
なら
距離はあるけど
行くしかない
あの時は何時間かかった?
既に無い体力でゾムさんを背負って歩けば、一体何倍かかる――――――
…考えるな
動け足
早く
「…っ――…」
死んでしまう前に。
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天然記念ゴミ(プロフ) - ーーーさん» (^_-)-☆ (3月19日 2時) (
レス) id: bde2ec8f8b (このIDを非表示/違反報告)
ーーー - つ、つづきをくれーーー (3月18日 20時) (レス) @page26 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
こーど - めちゃ好き…面白いのになぜ伸びない… (12月28日 23時) (レス) id: 65133e32a9 (このIDを非表示/違反報告)
nu(プロフ) - 好きです…ありがとうございます……更新待ってます…！！ (12月27日 14時) (レス) @page8 id: b0397f8cd1 (このIDを非表示/違反報告)
アスカミ - 天然記念ゴミ様の別の作品の、「一目惚れ悪魔と，，，(略)」の転生モノだと思っていて…今回ようやく気付いて。それは出会っていなかったようなものなので… (12月25日 18時) (レス) id: 6edaad17fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天然記念ゴミ | 作成日時：2023年12月24日 15時
