51話 ページ1
「…開けるか」
ゾムさんが扉に手を伸ばす
古く錆びついた取っ手を握ろうとした。
その手が近づくに連れ、バチバチと火花のような音が上がる
触れたとき、ついにバチｯと弾かれた。
「!!?ｯ――い゙っ…でぇ…」
黒い魔力だった。
痺れてうまく動かないようだ
『大丈夫…?』
「お、おう――〜上目遣いやめろ!!無意識なんやろうけどお前…!!!」
「弱、ゾム」
扉の一つでこんなくだらない会話と笑顔が得られる。
ちょっと楽しいな。
もっと緊張感持ったほうがいいんだろうけど、絶対
これに完全に油断していた。
薄ら明かりの洞窟に、渇いた岩と重い鉄の擦れる心地悪い音が響いた。
扉が無人で空いたのだ。
その奥から感じる、…やっぱり私と同じ黒い魔力。
「…Aさん?ちょっと…お、おい待てって!!」
不思議なことに、その魔力に導かれるように身体が勝手に動いていた
白くなる息を吐きながら、この引力に逆らう気もなく駆け出す。
明らかに人の手が加えられた空間だ
岩肌の床も壁も、進めば進むほど装飾が見え整われていき、
黒色の長い絨毯。背の高い灯り。
先に見える階段。…誰かが座っている玉座。
……ツノの生えた人間
その姿を捉えたとき、やっと私の足が止まった。
「おい、一人で先行くなよ―――…」
黒い騎士蝶に守られるように、その椅子で待ち構えていた。
人間……ではないのか
魔法書、に載っていたあの姿と似ている。
『………魔物
「魔族よ」
言葉を遮られた
魔族……? 聞いたことがない
魔物とは違うのか
ツノの生え、貴族のような服を纏い、人間のようでまた違う。
同じ黒く輝く魔力の持ち主。
「な……誰やお前」
「魔族よ…一度言ったでしょう」
「…魔族ってなんや」
「知らずに来たの? 馬鹿馬鹿しい…」
自分を“魔族”だと言うこの女性は、面倒臭そうに大きなため息をついた。
『…その魔族っていうのは、魔物と関係ありますか』
「あるわ。大アリよ。魔族に敬語を使うなんて、ご丁寧な勇者も居たものね」
「!?勇――なんでお前がAさんのこと知っとるんや」
「何故か? 瞳を見ればわかるわよ、そのアイオライト。本当に
…え?会いたくなかった??
ねぇ私すでに嫌われてるようですけど。
あ、勇者って肩書の私が怖い?
……いやそんなわけが。敵なら私を殺したいはず
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天然記念ゴミ(プロフ) - ーーーさん» (^_-)-☆ (3月19日 2時) (
レス) id: bde2ec8f8b (このIDを非表示/違反報告)
ーーー - つ、つづきをくれーーー (3月18日 20時) (レス) @page26 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
こーど - めちゃ好き…面白いのになぜ伸びない… (12月28日 23時) (レス) id: 65133e32a9 (このIDを非表示/違反報告)
nu(プロフ) - 好きです…ありがとうございます……更新待ってます…！！ (12月27日 14時) (レス) @page8 id: b0397f8cd1 (このIDを非表示/違反報告)
アスカミ - 天然記念ゴミ様の別の作品の、「一目惚れ悪魔と，，，(略)」の転生モノだと思っていて…今回ようやく気付いて。それは出会っていなかったようなものなので… (12月25日 18時) (レス) id: 6edaad17fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天然記念ゴミ | 作成日時：2023年12月24日 15時
