策略5 ページ16
亮side
『あ、あともう少しだ…！』
そう言って、行列の先を眺めて、嬉しそうにするAを横目で伺う。
念願の食べたかったケーキを目の前にして、嬉しくてたまらないといったAは、いつになくご機嫌だ。
ケーキには一切興味はないし、ぶっちゃけ昨日飲みすぎて軽く二日酔いだが、そのめんどくせぇ気持ちが吹き飛ぶほど、目の前のAが可愛く見えるから、俺も重症だなと思わずにはいられなかった。
『うん、すっごく美味しい！幸せ〜』
「それはよかったな」
『あれ、食べないの？美味しいよ？』
「俺が食わなくてもAが食うだろ」
『まぁ、食べるけど…もしかして、まだ具合悪い？』
「いや、さっきもらった薬飲んだし…大丈夫」
『もう！あんなに飲むからだよ？程々にしなきゃ…』
「久々のオフなんだから飲むしかねぇだろ」
『いや、オフじゃない日も飲んでるよね？』
「まぁな」
小言がうるさいAだが、俺の心配をしている事は分かっている。
その証拠に、自分は酒を飲まないくせに、二日酔いの薬を常時持ち歩いているからだ。
昼近く、朝方に寝た俺に声をかけたAは、普段より小綺麗な格好をしていた。
どこへ行くのかと聞けば、以前モデル野郎と約束していたという話題のケーキ屋に、給料が出たから食べに行くという。
そうなれば重い体を起こして「俺も行く」となるに決まってるし、そこで『吉沢くん、そんな甘党だっけ？』と驚かれようとも、気にしない。
まぁ、普段の俺ならそんな所に行きたいとも思わないし、ぶっちゃけ二日酔いでずっと寝ていたい気分だったが、モデル野郎の顔を思い出した瞬間、顔を洗いに洗面台へ向かっていた。
モデル野郎め…お前はAとケーキ屋に行けなくて残念だったな…！
だが俺は行けるんだよ、ざまぁみろ…！
(子供染みてるのはわかってるし…)
変装用に、深く被った帽子の隙間から周りを見渡せば、ケーキ相手に写真を撮りまくっていたり、食べることそっちのけで自撮りに夢中な子ばかりだ。
そんな中でAは、写真も撮らずにリスのように頬を膨らませて、ニコニコと幸せそうにケーキを頬張っている。
その姿が無性に可愛く見える俺は、もう彼女に対して盲目なのかもしれない。
だから例え、そんな俺に向かって『ねぇ、吉沢くん…もう一個食べてもいい…？』と小声で言うAに、若干引きつつも…結局俺はメニューを彼女に渡す。
つーか、その体のどこに入るんだよ、ほんとに…
.
続く (更新停止中)
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みるく - モデル君に嫉妬してるところが可愛かったです！続きが楽しみです(o^―^o)ﾆｺ (2020年12月17日 17時) (
レス) id: 4bb09ecb2f (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - お久しぶりです！大変なご時世ですがお変わりないでしょうか？このお話もレイズさんの文章も大好きなので、また続きを読みたいです。よろしくお願いします！ (2020年4月29日 15時) (レス) id: e90feb906e (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - 新型コロナウイルスの影響て気持ちが暗い中、この小説が心を明るくしてくれて癒されました。更新待ってます。 (2020年4月21日 8時) (レス) id: d9902aa0f8 (このIDを非表示/違反報告)
そら - 続き待ってます。よろしくお願いします。 (2019年12月23日 1時) (レス) id: 35e8d15003 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - ヤキモチやきで彼女にくっつきたがりな彼が、飼い主大好きな犬みたいでカワイイです(*≧∀≦*) もし彼女がお酒飲んだらどんな風になるんでしょうか……とっても気になります笑 続きも楽しみにしてます！ (2019年12月6日 15時) (レス) id: e90feb906e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイズ | 作成日時：2019年10月22日 19時
