お迎え2 ページ44
亮side
「なぁ、彼女とどう?」
キングダムの撮影の打ち上げ会。
長い間、過酷な撮影を共にしてきた共演者と、あのシーンは、ああだったとか、こうだったとか、真面目な話から下らない話まで、盛り上がって酒が進む。
夜も更けてきて、続々と帰るメンバーもいるが、俺は明日、久々のオフだ。昼から仕事という賢人も残っていて、唐突に肩を抱かれたと思えば、ニヤニヤしながら聞いてくる賢人。
「どうって何、なんもねぇよ」
「あれ、そうなの?最近の亮、前にも増してすぐ帰るじゃん?彼女が恋しいのかなぁって」
だから彼女じゃねぇし!と、絡み酒になりつつある賢人の言葉を否定しようとすれば、斜め前に座っていた1000年に1人の美少女こと、橋本環奈ちゃんにまで「え、吉沢さん彼女いるんですか?」と食い気味に聞かれる。
だから彼女じゃねぇし…と再び否定しようとすれば、「だからあんなに女の子が好きそうなデザートとか、洋服とか小物とか、私に聞いてたんですね!」とにっこり笑って告げられた。
もちろんそれを聞いた賢人の目は輝き出して、「なにそれ、亮めっちゃ健気じゃん」なんていい始め、「努力家ですよね、吉沢さん!」と、ニコニコ笑う環奈ちゃん。
俺の個人的な意見だが、この2人が組むと、最高にめんどくさい…と思う。
それから、環奈ちゃんは迎えにきたマネージャーと帰って行って、賢人と2人、場所を移動して飲み直すことになり、久々にかなり酔っ払った。
酔った勢いなのか、普段なら絶対に話さないAの事をペラペラと話していた気がして、でも賢人は馬鹿にすることもなく、真剣に話を聞いていた気がする。
そして、Aの話をしたからか…無性に恋しくなって、賢人がトイレに行っている間、俺はAに電話を掛ける。
すぐに出たAは俺が何も言わずもとも、『迎えに行けばいいの?』と言ってくれて、その優しさに嬉しくなって、気分が高揚する。
「亮、そろそろタクシー呼ぶけど」
「いや、俺はいい。迎えに来てもらうから」
「彼女に?愛されてんな〜」
「そ、だから賢人は一人で帰れよな」
「悔しいから彼女の顔見て帰るわ」
「おい帰れよ、イケメン」
「それ、お前だろ?国宝級のくせに(笑)」
家に帰ったらAに介抱してもらおうなんて思って、俺は帰る前にトイレに向かった。
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レイズ(プロフ) - みきさん» みきさん、コメントありがとうございます。感想とても嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します。 (2019年10月22日 16時) (レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - こちらの作品めちゃくちゃ大好きです!!!!ハマっちゃって更新が楽しみで仕方ありません!!!!頑張ってください!! (2019年10月21日 23時) (レス) id: 31ac1bf2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レイズ(プロフ) - 蓮さん» 蓮さん、コメントありがとうございます。すみません…更新が長く停滞してしまいました…なかなか構成がうまくいかないのと、プライベートが多忙ですが、もう少し更新頻度増やすように努力します…!宜しくお願い致します! (2019年10月20日 12時) (レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 最近あまり更新されてないようで寂しいです( ノД`)…楽しみにしてます! (2019年10月20日 1時) (レス) id: e90feb906e (このIDを非表示/違反報告)
レイズ(プロフ) - 雫さん» 雫さん、コメントありがとうございます。更新を楽しみにして頂きまして、とても嬉しいです。単調な展開にならないように頑張ります。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年10月7日 9時) (レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイズ | 作成日時:2019年9月7日 0時