おかえり5 ページ31
Aside
タクシーから降りて、吉沢くんを支えつつ、部屋の前まで来て、『吉沢くん、鍵は？』と聞けば、「けつポケットの中」と言うけど、全く出す気配がなくて、チラッと見れば、意地悪に笑う吉沢くん…
わかったよ、取れば良いんでしょ、取れば…！と思い、お尻のポケットに手を伸ばすけど、
「ふは、くすぐってぇ」
『もう、動かないでよ、取れない！』
「変なとこ触んなよ、A」
『触ってないもん！……あれ？吉沢くん、おしりのポケットに何も入ってないけど…？』
「あー…そういえばバッグに入れてたっけ？」
『もうっ！早く出して！』
「怒んなよ、A…こっち、ここから出して」
そう言ってバッグのポケットから鍵を出して、部屋へ入り、重たい体を引きづりながら真っ直ぐベッドへ向かう。
ベッドに吉沢くんを座らせて、さっさと帰ろうとすれば、思いっきり手を引かれて、そのまま吉沢くんとベッドに沈んだ。
頭や腰を抱かれて、吉沢くんの長い足が私の足に絡んで、重たいからやめて、と思いつつ…それよりこの状況はさすがにマズイでしょ、と思い…抗議をしながら吉沢くんの顔を見れば、悲しそうな顔で私を見ていて、
何…なんでそんな顔するの…何かあったの…と思えば、私の首筋に顔を埋めて「A、ただいま…」と言う吉沢くん。
ふんわりと、お酒の匂いに混じって、吉沢くんがいつも付けてる香水の匂いがする。
スリスリと頭を押し付けて、小さくため息を吐く吉沢くんに、『おかえりなさい、吉沢くん』と言えば、そのまま私の手を握って寝始めた吉沢くん。
すぐに帰るつもりだったけど、帰れないことを悟って、仕方なく…私も目を瞑った。
.
翌朝。
目が覚めると、お腹に手を回されていたけど、解けないほどでもなかったので、ゆっくりと…吉沢くんの腕の中から抜け出す。
熟睡している彼を起こさないように、リビングまで行けば、この間ほどは荒れてはいないが、やはりゴミやら洗濯物が溜まっていて、別に頼まれた訳ではないけど、自然とゴミ袋に手が伸びていた。
仕事は10時からだから、9時半には着けば大丈夫だし、ここからなら電車で30分くらいだ。
まだ3時間くらい時間はあるし、朝ごはんも作っておいた方がいいかな…と思い、洗濯機を回している間、鍵を勝手に借りて、近くのコンビニまで行き、材料を調達する。
長年の癖なのかもしれない…彼の身の周りの世話というか、パシリ癖が染み付いて、自然と体が動いてしまうのだ。
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レイズ(プロフ) - みきさん» みきさん、コメントありがとうございます。感想とても嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します。 (2019年10月22日 16時) (
レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - こちらの作品めちゃくちゃ大好きです！！！！ハマっちゃって更新が楽しみで仕方ありません！！！！頑張ってください！！ (2019年10月21日 23時) (レス) id: 31ac1bf2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レイズ(プロフ) - 蓮さん» 蓮さん、コメントありがとうございます。すみません…更新が長く停滞してしまいました…なかなか構成がうまくいかないのと、プライベートが多忙ですが、もう少し更新頻度増やすように努力します…！宜しくお願い致します！ (2019年10月20日 12時) (レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 最近あまり更新されてないようで寂しいです( ノД`)…楽しみにしてます！ (2019年10月20日 1時) (レス) id: e90feb906e (このIDを非表示/違反報告)
レイズ(プロフ) - 雫さん» 雫さん、コメントありがとうございます。更新を楽しみにして頂きまして、とても嬉しいです。単調な展開にならないように頑張ります。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年10月7日 9時) (レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイズ | 作成日時：2019年9月7日 0時
