朝2 ページ24
亮side
朝が早いからか、時折ジョギングをしている人とはすれ違うが、人も少なく、静かな平日の朝。
コンビニまでは徒歩5分だが、俺はいつものように帽子をかぶって、猫背がちに顔を伏せて歩く。
人に見られないようにと…長年の癖だ。
そんな俺の数歩後ろを、Aはくっ付いて来ていて、思えば昔から…俺の隣を歩いたことはない。
俺がAの手を引いて、ようやく隣に来るが、俺が呼ばない限り、Aは俺に近付くことはなかった。
中3の夏休みに、Aと一緒に出掛けたことがあり、今みたいに俺の後ろを付いてきていたAだったが、人混みではぐれたことがある。
無事にすぐに会うことはできたが、「またはぐれたら面倒だから隣を歩け」と言えば、Aは『吉沢くんと歩いているところを人に見られたくない』と、珍しく口答えをして、俺はかなりイラついたのを覚えている。
結局俺の隣を歩きたくないのは、俺と一緒に居るところを誰かに見られて、噂が立ったり、自分が更にイジメられるのを避けるためだと知ったのは、そのすぐあとだったが、Aは昔から…俺と一緒に居るところを見れることを、極端に嫌がった。
別に誰かに見せびらかしたい訳でもないし、2人で居るときは素直に俺の側に居るから問題はないが…時折カップルが手を繋いで歩いているのを見ると、無性に寂しく思うこともあった。
コンビニで、Aは朝ごはんになりそうなものを買っている間、俺は菓子コーナーで、Aの好きそうな菓子を適当に選ぶ。
Aが持つカゴを取り上げて会計をして、菓子だけを袋に入れてもらうと、それをAへと手渡した。
「ん」
『なに、このお菓子？』
「朝ごはんのご褒美、前払いな」
そう言うと、袋の中のチョコレートを見つめて嬉しそうに笑うA。
相変わらず食い物ですぐに機嫌が良くなる彼女は、単純だ。
『朝ごはん、和食にしたけど…』
「みそ汁飲みたい」
『豚汁じゃ、ダメ？』
「それでいい」
また数歩後ろを歩く彼女と会話をして、チラッと見ると、彼女は俺を見て、『お腹が空いたから早く帰ろう？』と言って、俺の背中を軽く押す。
珍しく触れてきたAに、俺は顔が熱くなるのを感じながら、そっぽを向いて足早に歩いた。
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レイズ(プロフ) - みきさん» みきさん、コメントありがとうございます。感想とても嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します。 (2019年10月22日 16時) (
レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - こちらの作品めちゃくちゃ大好きです！！！！ハマっちゃって更新が楽しみで仕方ありません！！！！頑張ってください！！ (2019年10月21日 23時) (レス) id: 31ac1bf2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レイズ(プロフ) - 蓮さん» 蓮さん、コメントありがとうございます。すみません…更新が長く停滞してしまいました…なかなか構成がうまくいかないのと、プライベートが多忙ですが、もう少し更新頻度増やすように努力します…！宜しくお願い致します！ (2019年10月20日 12時) (レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 最近あまり更新されてないようで寂しいです( ノД`)…楽しみにしてます！ (2019年10月20日 1時) (レス) id: e90feb906e (このIDを非表示/違反報告)
レイズ(プロフ) - 雫さん» 雫さん、コメントありがとうございます。更新を楽しみにして頂きまして、とても嬉しいです。単調な展開にならないように頑張ります。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年10月7日 9時) (レス) id: 7e87fc9e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイズ | 作成日時：2019年9月7日 0時
