気の合う2人 ページ49
Aside
二「A〜〜！やっと会えたよ〜〜！」
そう言って、ギュウッと抱きしめてくれたのは、女優の二階堂ふみちゃん。
ふみちゃんとは、映画"渇き。"で共演して以来、その演技力と存在感に衝撃を受けて、私が女優として歩んでいくきっかけとなった人だ。
明るくて優しくて、ちょっと不思議なところはあるけど、頼りになるお姉さん…ずっと尊敬をしている。
久々にご飯に行く約束をして、今日は湯葉が食べたいと言ったふみちゃんのリクエストで、京料理のお店に来ていた。
二「というか、なんで吉沢くんいるの！？」
亮「しょうがないじゃん、俺もAとご飯食べたかったんっすよ」
二「いま毎日現場一緒でしょー？前もだったけど、私とAとの仲を邪魔しないでよ〜」
亮「俺、仕事とプライベートは混合しないんで」
二「どの口が言ってるわけ？」
と、何やら不穏な空気…この2人、何度も共演しているはずなんだけど、何故か毎回こうやって言い争いをする。
前に2人が共演した、映画"リバース・エッジ"の番宣あと…亮ちゃんからご飯に誘われ、向かった先にはふみちゃんも居た。私的には大好きな2人に会えて、幸せも2倍なのだが、2人はそうでもないみたいで、前にもこうして言い争いをしていた。
さすがの私も、この2人のやり取りは慣れてきたというか、
『あの、でも私…大好きな2人と一緒に過ごせて、嬉しいな…』
なんて言うと、決まって2人は「Aがいいなら仕方ないか…」と揃って答え、気が合うのか合わないのか、面白くて笑ってしまう。
食事をしながら談笑していると、
二「A、次は男装する役なんだよね？」
『うん、そうなの…"黒執事"っていう漫画の実写化で、その当主さまは男して生きてきた設定だから、男装するの』
亮「男装ってことは髪の毛どうすんの？」
『バッサリ切っちゃうつもりだよ』
二「え〜もったいない〜！こんなに綺麗なのに！」
そう言ってふみちゃんは私の金髪の髪をサラッと撫でる。役作りのために、黒髪したり、金髪にしたら、その度に痛んではいたし、ちょうどいいのでバッサリと切るつもりだ。
『ちょっと九州の方で撮影だし、2人に会えないの、寂しいな…』
そう言うと、2人は「電話する！！！」とまた揃って答え、やっぱり実は仲がいいのでは？と思って、また面白くて笑ってしまった。
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作者名：レイズ | 作成日時：2019年6月27日 10時
