生きた天使 (ページ42)

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独り占めページ42

Aside

同じ空間に居て、たった数時間だったと思うけど、何日も何年も会ってないような感覚になる。
大袈裟すぎるけど、亮ちゃんの目を真っ直ぐ見て、逸らされなかった事に、心の底から安心してしまった。

亮「俺に用事って…なに？A」

いつもみたいなに優しく笑いかけてくれて、
ああ、いつもの亮ちゃんだ…と、安心した。
胸がグッとなって、涙が出そうになるけど、誤魔化してプレゼントを渡す。

『これ、亮ちゃんにプレゼント』

亮「え、なに…何で？」

『いつもお世話になってるお礼なの…使ってくれたら嬉しいです』

亮「………マジか…ありがとう」

小さなエメラルド色の紙袋を受け取った亮ちゃんは、小さめの声でお礼を言う。
やっと目的を達成できて、思わず春馬くんを見れば微笑んでくれた。

『あの、亮ちゃん…里ちゃんがここまで迎えに来てくれるんだけど、良かったら亮ちゃんもどうぞって言ってて、一緒に乗って帰らない？』

亮「あ、ホントに？俺はタクシーで帰るつもりだったから、その方が嬉しいけど…」

春「あ、俺は他のメンバーと二次会行くんで(笑)」

『え…春馬くんまだ飲むの…？』

春「俺どっかの奥手野郎のせいで全然飲めなかったからね、飲み直すの」

『おくて…やろう？』

亮「あーー……A！そんな事より帰る前に小栗さんに挨拶してこよう」

『あ、そうだね…えっと、春馬くんまたね』

春「うん、またねA、狼に食べられないように気を付けて」

『…おおかみ？』

亮「いや、Aのマネージャーいるんだから、んなことしねぇって！」

『里ちゃんが、なに？』

亮「いや、もういいから！行こうA」

結局2人のやりとりが分からないまま、小栗さんに挨拶をして、里ちゃんが迎えに来てくれた車に、亮ちゃんと2人で乗る。

帰りの車の中では、話さなかった時間を取り戻すように、亮ちゃんとたくさんお話をして、亮ちゃんもいつも通り、時折頭を撫でてきたり、肩を抱いてきたり。
いつもは恥ずかしくて避けてしまうけど、今日はたくさん触れてくれる亮ちゃんに安心して、広い後部座席なのに、ピッタリとくっ付いていた。

ふと亮ちゃんと目が合う。
こんなにかっこよくて、優しくて、側に居てくれるのが当たり前で、私はそれに甘えている。

でも、今日みたいな日もいつかはくるかもしれない…
それが今はとても怖いけど、

でも今だけは

優しく名前を呼んでくれる国宝さまを

独り占めさせてください

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