生きた天使 (ページ29)

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刺激ページ29

亮side

それから、3年くらいAと会うことは無かった。

会わなくても別に寂しいとかそんなことは思わなかったし、変わらずにスクリーンやSNS越しにAを眺めるだけでも、俺は満足だった。

そして、映画 "渇き。"が公開されて、俺はもちろん劇場まで観に行ったけど、そこで衝撃を受けたことを覚えている。

ミステリーで、R-15作品だったし、公開する前から世間で話題になっていたが、Aは映画初出演ではなくとも、無名の新人。
オーディションで監督の心を射止めたらしく、裏の顔をいくつも持つ難しい女子高生役を、見事に演じ抜いた。

そして、誰もが欲する、"アカデミー賞新人俳優賞"受賞し、女優篠宮Aの名が、この世に広まった瞬間だった。

俺は、自分のことのように嬉しかったし、役者としてもかなりの刺激を受けた。

ただ、演じる役柄のせいもあって、世間からはミステリアスでクールな印象を持たれていたA

あの日の鞄バラバラ事件(笑)を知っている俺としては、

何故だか得したような、

俺だけが本当のAを知っているような、

そんな感覚だった。

亮「え、俺が主演！？」

移動中にマネージャーから言われたことに、驚いた。
金と友情の駆け引きで、人気漫画が実写化
"トモダチゲーム"

久々の主演ということあって、役作りも慎重だったし、ぶっちゃけ最初は共演者を気にしてる余裕なんて無かった。

だから、共演者の中にAの名前があることすら、気付かなかったのだ。

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