86話、白いトラウマ ページ37
突然起こった、災難な事故。
大型トラックに、一人の男性が轢かれて亡くなった。立ち入り禁止と書かれたテープをくぐり、中島は辺りを見渡す。
『敦くん、此方です』
「…あれ、津島さん？」
呼びかけに目を向けると、そこにはAの姿。確かこの事件は谷崎が受け持っていたはずだが、何故彼がここにいるのだろうか。
『優先しなければならない依頼が入ったようで。今回自分は代理です』
「奇遇ですね…僕も乱歩さんの代理です」
『おや、貴方もでしたか』
本来この事件は江戸川に依頼されたものだったが、彼は「今ちょうど焼き菓子が熱くて美味しいから」という理由で中島に押し付けてきたのだ。彼らしいと言えば彼らしいが、中島は苦笑いが止まらなかった。
『被害者は四十代男性、トラックに撥ねられて即死だそうです。顔が潰れていて、現在身元は不明。運転手の証言では、いきなり飛び出してきたようです』
一通りAが説明し終わると、中島は遺体の手元を見る。その手には、何故か雑誌記事の切り抜きがあった。強く掴んだのかグシャリと変形しており、所々に血が付着している。
「切り抜き、他にも落ちてるかも…」
『…超推理、使ってみますか？』
「え、出来るんですか！？」
『いえ、冗談です』
「えぇ…」
(変なところで冗談を言う人だな…)
スンッとした顔で否定するA。中島がガックリと肩を落としていると、彼はふと江戸川が言っていた事を思い出す。確か彼は「困ったら花屋を探せ」と言っていた。
「被害者に関係があるって事ですよね」
『恐らく、そういう事になりますね』
二人が話していると、捜査を進めていた警官から呼び出しがかかる。それに反応したAは、中島に『少し失礼しますね』と言い、警官の元に行ってしまった。ほんの暫くの間、中島が遺体を見つめていると、直ぐにAが戻ってきた。手には被害者の資料を持っている。
『遺体は、この方で間違いないかと』
「ッ！？ ぅあ、あぁあっ！！」
『…敦くん？ どうし』
「何故貴方が此処にいるんだ！！院長先生！」
Aが渡した資料を見た瞬間、中島が悲鳴じみた声をあげる。後退し、尻もちをついた中島から出た役職名は、彼という存在に大きな傷を付けた存在だった。
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雪山(プロフ) - ラムネさん» ものすごい勢いのお褒めの言葉、ありがとございます！これからも頑張ります！ (2022年11月22日 21時) (
レス) id: e986202370 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - もうこの作品大好き！！ああああああ！！もうなんなの！歳上なのに部下とか！好き！！そして男主の性格好み過ぎな？もうこの作品神！そしてこの作品生み出した雪山さんはもう神以上！更新頑張ってくださいいいいい！ (2022年11月22日 19時) (レス) @page27 id: be178889d7 (このIDを非表示/違反報告)
雪山(プロフ) - Yasi123さん» なんて嬉しいお言葉…！これからも励んでいきます。 (2022年9月15日 20時) (レス) id: e986202370 (このIDを非表示/違反報告)
Yasi123(プロフ) - 最近見させていただいています。とても面白いくてめっちゃ好きです。男主くんのキャラがすごい好きです。頑張ってください (2022年9月14日 22時) (レス) id: ea7056b992 (このIDを非表示/違反報告)
雪山(プロフ) - elliscat810さん» 嬉しくて舞い上がってしまいました。コメントありがとうございます。 (2022年8月30日 14時) (レス) id: e986202370 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪山 | 作成日時：2022年5月20日 17時
