81話、ダイヤを活かせ ページ32
「っおいおい…何してんだ手前…！」
毒が回らぬよう、出来るだけ衝撃を抑え、中原を抱き上げるA。騒ぐ中原の口元に、人差し指を緩く押し付ける。
『今は喋らないで。毒の周りが早くなります』
「やめろよ、気持ち悪ぃ…！」
『喋るな』
「！」
一言、静かにそう言えば、中原はピクリと身体を小さく跳ねさせて黙る。最小限の力で岩を飛び越え、着地すると、中原の頭をゆるりと撫でるA。また口を開こうとした中原だったが、限界だったのか、Aに身を預けたまま気絶してしまった。
『…それだけ、仲間を信用していた、という事ですか』
では、彼の仲間達は如何だっただろう。
“圧倒的力”
自分達を守ってきたソレが、もし揺らぐ様な事があれば。少しでも、その力が自分達から離れようとするならば。
「「「敵になる前に殺してしまおう」」」
そう思っても、おかしくはないのかもしれない。しかしあまりに滑稽な話である。“仲間を信じていた人間”と“彼の力を信じていた人間達”…初めから釣り合ってなどいなかったのだ。
もう一度中原の顔を見ると、話している時とは違う、子供らしい顔をしていた。
背後で聞こえる銃撃音が、段々と遠のいていく。
△▼△
「僕ね、久作っていうのー！」
『自分はAと申します』
「そのやり取り何回目？…ってあ"ー！」
「手前！」
あれから数日。
正式に、中原がポートマフィアに参加する事になった。彼は尾崎の
「君は！僕の！犬だろう！ それなのに…紅葉さんの直麾部隊！？若いんだから下積みしろ！」
「手前が言うな！」
『確かに、治くんが言えた事ではないですね』
「はーん！？Aは中也の味方なの！？」
「ったりめぇだろ！ な！？A！」
ぎゃいぎゃいと言い合う二人に挟まれるAとQ。太宰と中原の顔を交互に見るQの目を軽く塞ぎ、『こうなったら駄目ですよ』と呟くAに、「はあ！？」と二人は声を揃える。
「本当にこの二人を同じ組織に入れて良かったのかえ？首領殿」
「“ダイヤはダイヤでしか磨けない”か」
尾崎の言葉に、森は独り言を返す。その言葉は、彼の師に向けられたものだった。真っ直ぐに“彼等”を見つめ、森は言った。
「夏目先生、私と福沢殿に仰ったあの言葉…今こそ確かめさせてもらいますよ」＿＿
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雪山(プロフ) - ラムネさん» ものすごい勢いのお褒めの言葉、ありがとございます！これからも頑張ります！ (2022年11月22日 21時) (
レス) id: e986202370 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - もうこの作品大好き！！ああああああ！！もうなんなの！歳上なのに部下とか！好き！！そして男主の性格好み過ぎな？もうこの作品神！そしてこの作品生み出した雪山さんはもう神以上！更新頑張ってくださいいいいい！ (2022年11月22日 19時) (レス) @page27 id: be178889d7 (このIDを非表示/違反報告)
雪山(プロフ) - Yasi123さん» なんて嬉しいお言葉…！これからも励んでいきます。 (2022年9月15日 20時) (レス) id: e986202370 (このIDを非表示/違反報告)
Yasi123(プロフ) - 最近見させていただいています。とても面白いくてめっちゃ好きです。男主くんのキャラがすごい好きです。頑張ってください (2022年9月14日 22時) (レス) id: ea7056b992 (このIDを非表示/違反報告)
雪山(プロフ) - elliscat810さん» 嬉しくて舞い上がってしまいました。コメントありがとうございます。 (2022年8月30日 14時) (レス) id: e986202370 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪山 | 作成日時：2022年5月20日 17時
