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タウゼントは疲労を感じる機能を一時停止し、最大速力＿＿50m約5s＿＿で裏山を駆け下り、本校者へと向かった。
木々の間を通って付着した泥を拭いながら、本校舎の廊下を歩く。
今はちょうど授業間の休憩時間だが、誰も廊下を歩いていない。恐らく教室の中で予習復習でもしているのだろう、教室とは離れている理事長室の前ですらその筆記音が聞こえてきそうだった。
Aが理事長室に入ろうとした時、自分を呼ぶ声が廊下に響いた。
『タウゼント！』
声の主は浅野学秀、球技大会以来一度もあっていない、そもそも校舎が違うのだが、浅野は走ることはせず、かと言ってゆっくり歩くわけでもなく、半ば駆け足でAへ向かってきた。
『学秀生徒会長ではありませんか』
『変な呼び方はやめろ、校舎が違うとこうも会うことがないんだな……どうしても理由が気になって聞き出したかったんだが』
『私がE組にいる理由のことですか』
『そうだ、何度考えてもあのクラスにわざわざ留学する必要がわからない』
『どうしてそこまで気にするんですか』
『僕は生徒会長だ、それくらいのことだって、聞く権利がある』
答えになってない、僅かにその思考が走ったが、Aは直ぐにその電流を断ち切った。
『タウゼントの実力査定試験を見させてもらった』
『理事長何やってるんですか……』
今回の言葉は断ち切れなかったようだ。さすがに息子とはいえそう簡単にホイホイ見せてしまって良いものなのか、いや、あの理事長なら良い刺激になるという名目で浅野に見せてしまっていそうだ。
『国語の三点ミスを除けば英数は満点、素晴らしい成績だな、E組どころかB組にも勿体ない』
にやりと笑う浅野の目には静かな炎が灯っていた。
浅野はこの点数を見てから、何かに取り憑かれたように同じ問題をすぐに解いた。満点は数学、英語と国語が一点ミスと二点ミス。
同じ合計点数だが、いつも上に立ってきた浅野には不服だったらしい。しかし、全ての教科において自分と同じかその上か、浅野が彼女に強い興味とライバル意識を抱いたのは事実だった。
しかしどうだろうか、やっと見つけたライバルはE組の生徒だ。入った理由が気にならないわけがない。
『私は＿＿』
"E-cZi4 守秘義務□それ以上は
マスターへの通知が入ります"
その時、Aは何かを言いかけたが、誤作動でも起こしたように動きを止めた。細められた瞳は僅かに発光し、次の言葉を催促しようと浅野が腕を組んだ時、パチリと瞳を開いた。
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天泣tenkyu(プロフ) - 杏さん» わーありがとうございます！更新遅いので気長にまっていただけると助かります…現代風になるよう意識してたので伝わってよかったです笑 (2018年9月30日 17時) (
レス) id: 2cce15959b (このIDを非表示/違反報告)
杏 - すごく面白いです！たまにタウゼントちゃんが現代風になるので笑いますw応援してます！更新頑張ってください！ (2018年9月29日 23時) (レス) id: 0c46f8b8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天泣tenkyu | 作成日時：2018年9月19日 20時
