7月3日am08:00/球技大会の時間 ページ32
『待ちに待った球技大会！ だね』
『はい、ベンチから皆さんを誠心誠意応援していますので』
悪事を企むお代官のように口に袖を当てて笑みをこぼすA。
ドライストレッチのスパッツと短パンを身につけた足は細く、ワンサイズほど大きいであろう長袖ジャージを羽織った彼女。
いわゆる萌え袖となっている。
袖から覗く細い指や、いつもよりどこか庇護欲をそそる風貌に、女子は朝からAを猫可愛がりしている。
男子はというと、離れたところからそんな女子達を眺めていた。呆れたような表情が若干多い。
ポニーテールに結い上げた髪には見慣れぬ黒いリボンが結ばれていて、プレゼントした張本人の不破はやっぱ似合うわと顎に手を当ててドヤっとしていた。
『皆さん今日の作戦の見直しは？』
『終わったわ！』
『さすがです』
『E組には支給されないらしいので、今回私の資金でクラス分のスポドリを買っておきました』
これが欲しいか〜と目の前で冷えたペットボトルを揺らすA。
とんだ小悪魔娘だわと戦慄するクラス女子。
そんな中、いつの間にかこんなにも人間らしくなって、と陽菜乃は親のようにとても嬉しそうにしていた。
ちなみにAの隣では律もたくさんのスポドリを画面に写し出し、さながらCMのように可愛らしく振舞っている。
『うちのクラスのAI娘達が末恐ろしい』
誰かがそう呟いた。
おそらく竹林であろう。
そんなこんなで始まった球技大会。
選手宣誓やらなにやらをする開会式では、1番最初にE組が整列していなければならないらしい。
そうそうに教室を出た彼女達は山を降りていく。スポドリはすでにHRで1人1つずつ配っている。
開会式が始まるまでの間、静かに並んでいたＥ組生徒だが、女子列の最後尾に並ぶAは注目を集めていた。
E組が勝つために海外のチームから1人連れてきたのか、それとも知らないうちの転入生か。
ざわめく本校舎たちの生徒に、微動だにせずただ前を向くA。
うるさいと聴覚機能を落としている可能性もありそうだ。
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天泣tenkyu(プロフ) - 杏さん» わーありがとうございます！更新遅いので気長にまっていただけると助かります…現代風になるよう意識してたので伝わってよかったです笑 (2018年9月30日 17時) (
レス) id: 2cce15959b (このIDを非表示/違反報告)
杏 - すごく面白いです！たまにタウゼントちゃんが現代風になるので笑いますw応援してます！更新頑張ってください！ (2018年9月29日 23時) (レス) id: 0c46f8b8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天泣tenkyu | 作成日時：2018年9月19日 20時
