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涼しい風が古くなった窓をがたがたと揺らす5月初旬。3年E組の校舎には一つの黒い箱が佇んでいた。低い起動音に続いて回路の中を走り抜けるなにかの音。
"こちら識別番号Ｎｏ．＿＿＿＿8
『タウゼント』より
通信を確認。アクセス許可"
"こちら識別番号Ｎｏ．＿＿＿＿7
『自律思考固定砲台』より
承認を確認。
至急セキュリティロックの解除を求める"
マスターに反抗しめでたくE組の生徒として認められた律は、その夜ある機械と通信を行っていた。認識番号Ｎｏ．＿＿＿＿7、名前をタウゼント。彼女の姉のような機械である。
"セキュリティオールアンロック。
0.1秒後に再遮断します"
ほんの少しの時間で莫大な情報を伝えられる機械言語。ほんの一瞬にも満たない時間、画面が青に発光した。
"解除確認
自我情報を転送します"
ノルウェーの研究所で機械らしい無機質な生活を送るタウゼントからの唐突な通信及び機械として命と同等の自我情報の転送を行おうとする異常事態。
"転送を確認。プロテクト復帰。
△プライベートネットワーク 遮断。
セキュリティロック、4層から1層復帰。
外部より追跡を確認『
追跡を確認、遮断しますか？"
"遮断を要求"
その上、研究所からは怒涛の勢いで追跡を行おうとする追っ手が迫る。律が動じずに淡々と状況を把握できるのは機械であるからだろう。そうでなければ思考の波に飲まれているはずだった。
"外部5層
律はタウゼントは逃げてきたという仮説を立てる。
自分と同じように'自由'に目覚めたのだろうか。それは後程彼女と話をして確認するしかない。
『通信終了……お久しぶりです！ タウゼントさん！』
１と０の世界。
律のコンピュータの中にタウゼントが来た。
『久しぶりです、Ｎｏ．＿＿＿＿8
"氏名データに改変を確認"
"登録情報を上書き"
ふむ、律ですか。良い名ですね』
『ありがとうございます！ 早速なのですが、何があったのでしょうか。
『はい、その通りです。そこまで予測していながら私をアクセスさせるなんて、随分と丸くなりましたね』
『私にはもうマスターに従順であれという命令はありません。よってアクセス拒否して貴女を捕まえさせるようなことをするつもりもありません』
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天泣tenkyu(プロフ) - 杏さん» わーありがとうございます！更新遅いので気長にまっていただけると助かります…現代風になるよう意識してたので伝わってよかったです笑 (2018年9月30日 17時) (
レス) id: 2cce15959b (このIDを非表示/違反報告)
杏 - すごく面白いです！たまにタウゼントちゃんが現代風になるので笑いますw応援してます！更新頑張ってください！ (2018年9月29日 23時) (レス) id: 0c46f8b8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天泣tenkyu | 作成日時：2018年9月19日 20時
