ERROR！ver.2【浅野学秀】【赤羽業】 (ページ18)

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am11:00 ページ18

今日の本校舎はいつになくざわめいていた。

遠目に歩くE組を見ては、ひそひそと顔を青ざめてうろたえる。

本校舎に来るというのにエンドのE組がすがすがしいさわやかな顔をしている。
劣等感を持っているのは彼らではなく自分たちという敗北感。

体育館までの廊下で、E組は本校舎のリーダー五英傑と何やら話し合っていた。

『式の準備でE組にかまう暇はなんてないけど』

『……浅野、賭けてたよな。五教科でより多く一位を取ったほうが相手に何でも要求できるって』

磯貝が浅野にそう切り出すと、五英傑は苦々しい顔をする。

『要求はさっきメールで送信したけど、あれで構わないな？』

プライドがそうさせるのか、浅野は無言の肯定で歩みを進めようとする。、
だがその際に前方でたたずむAへと視線を向けた。

浅野の言わんとしたことを察したのか、Aは小さく声に出す。

『私はＥ組の学力向上にはなんの関与もしていません。私との関連を疑わないでくださいと、そう言ったはずです』

どこか物騒な雰囲気を漂わせる二人を、E組一同は固唾をのんで見守る。

『……わかっている』

焦りに駆り立てるような浅野の一言。
その焦りに気づいたのは、Aだけだった。

浅野は、それきり黙って五英傑のメンバーを連れて去っていった。
残されたAはふうと一息はいて周りに立つE組を見渡す。

『なんか注目されてますね……』

『Aって浅野とかかわりあったの？』

『まあちょっとですが』

整列するまでの間Aに事情聴取を行いつつ、こうしてＥ組はA組との賭けに無事勝利し、苦々しい表情のA組生徒からあるパンフレットを奪い取った。

『夏休み特別夏期講習！沖縄リゾート2泊3日！』

『触手を壊す権利は合宿中に使います』

『にゅやぁ……正直に認めましょう、君たちは侮れない生徒になった』

爽やかに磯貝がパンフレットを殺せんせーに渡すと、汗をかきつつもやや嬉しそうに殺せんせーはそう言った。