にひゃくさんじゅういち。 ページ32
「大好きな船造りもやめて、自分を押し殺して生きてきた……これからもずっとそうするのか！？…………たとえトムさんが許してくれても…おれがお前を許してやっても、何も変わらねェんだろうな！……もういい加減に…！自分を許してやれよフランキー！！！…もう、てめェの夢に生きていいだろ……？」
うんうん、自分のために生きていいと思うよ。
ここで、町の方からバッグが落ちてきた。フランキー一家が投げたらしい。中には旅の荷物が入っている、と。
「色々…！！勘弁して下さい！！ホントにすいません！！どんな罰も覚悟の上です！！！……おれ達バカだから！！！ねェ頭振り絞って一生懸命考えたんですっ！」
「ねェ頭で何を考えたってんだよ！！おれからパンツを奪う方法か！？アァ！？おれを海賊にする方法か！！出しゃばんじゃねェよおれの人生だ！！全ておれが決める事だ！！子分共に敷かれたレースの上を棟梁のこのおれが喜んで歩けるか、みっともねェ！！！本当にくだらねェ…ねェ頭なら初めから使うんじゃねェよ！！！」
「申し訳ねェ……！でも少しくらい考えたらダメですか！？おれ達みてェなゴロツキを拾ってくれた”大恩人”の…あんたの幸せも考えたらダメですか！！？」
「！！！」
そのまま後ろ向きに倒れたフランキー。ココロさんが「どっちがバカだい」と言っていたけど……その通りだね。どっちがバカだい。
この場合はフランキー一家の方が正しいと思う。いいじゃんね、恩人の幸せを考えたって。
フランキーはまた痛い痛いと悶た。……泣きながら。
「おォい！！ロビン！！加減してくれ頼むから！！女になっちまう！！」
「女になっちまうって……ウケるけど。」
「泣いてるぞあいつーー！！」
「ちっきしょうニコ・ロビン！てめェ許さんぞ！！痛くて涙が止まらねェええ！！！」
「……ん？アレ？お前何もしてねェのか？」
ロビンが能力を使う時の腕の形を解いていた。曰く、やったのは初めの1回だけだ、と。
「ずるいわね…涙を痛みのせいにして」
「……イヤー、感動的ですね―。」
ただしパンツは履いていない。
これいつまで待ってたらいいんだろうと思っていたら、やっとサンジとゾロが戻ってきた。
……なんか急いでる。どうした。
「お前のじいさんが戻って来たぞルフィ！！向こうの海岸で攻撃態勢でおれ達を探してる！！」
「げっ！！マジで！！？」
「えェ！？何で！？」
「おれ達が知るかよ、出港準備だ！急げ！！」
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作者名：あんちょび | 作成日時：2022年6月22日 17時
