よん ページ4
『私もいっしょに遊んでくれる人、
さがしてたの!!』
そういって彼女はふわっと
木の上から飛び降りた。
結構な高さがあったのに、
彼女は軽々しく、地面に着地した。
スカートがはらみ、可愛らしいウサギのパンツが見える。
『キャッチボールしよう!!』
降りるや否や、少女はそう言って、
一定の場所までボールを持って離れる。
「え、」
そして、少年の意見を全く無視して、
そのピンクのボールは投げられた。
それも、子供が遊びでポンと投げるような、
簡単なボールじゃなかった。
「!!」
一直線に、ブオンと風を切り、
目の前に迫ってくるボールを、
慌てて少年は受け止めた。
バシッと、気持ちいい音がする。
『え!!今の止められたの!?』
うろたえたのは少女の方。
かなり自信があったらしいそのボールを
止められたことにより、
全身に悔しさをにじませていた。
「....。」
一方、少年の方も黙ってはいない。
女子にこれだけのボールを投げられたのだ。
負けたくない。
単純にそう思った。
腕を大きく振りかぶり、
少年は一切手加減なしでボールを投げた。
これもまた、この年の子が投げるような
ボールではなかったのだが。
『よっと。』
パシ。
少女はその場から動くこともなく、
あっさりとその一撃を受け止めた。
少年も悔しげだ。
と、ここまで来たら、
もう意地だった。
『行くぜ!!おーるまいとあたっく!!!』
少女が技名らしいことを叫び、
勢いよく投げつければ、
少年はそれを体でキャッチ。
そしてノータイムで投げ返す。
『うわ!?』
いきなりきたボールを、
体制を崩しつつも少女がキャッチ。
そしてまた、投げる。
一進一退の攻防が繰り広げられる中、
だんだん二人の息は上がり、
額にたっぷりの汗をかき始める。
しかしそれでも止まらない。
そのうち、
警戒していた少年もほおを緩ませて、
どこか楽しそうにしていた。
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作者名：雪兎 | 作成日時：2017年7月1日 20時
