【僕のヒーローアカデミア】君と私と約束を【轟焦凍】 (ページ3)

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さんページ3

『そーいえば、
きみ、遊ばないの?』

「え?」

不意に話題を振られ、
少年はたじろぐ。

『こーんなに広いお庭があるのにー!!
もったいない!!

こーゆーのをたからの持ちそこないっていうんだよー！？』

それを言うなら宝の持ち腐れ。
少年の心の内も知らずに、
少女は庭を走り回る。

庭に咲く花々を見ては、きれいだと声を上げ、
地面に這う蟻を見ては、すごいと感心し、
大きい木を見つければ、スカートを翻して上り始める。

初めて見る景色にすっかり興奮しているらしい少女は、
他人の敷地だということを忘れてはしゃぎまくっていた。

子供の意識とは、
しょせんその程度であるが。

そして、
少年は、よく言えば天真爛漫。
悪く言えば、落ち着きがなく、危なっかしい
この少女の対応を考えていた。

お母さんか、お姉ちゃんか、お兄ちゃんか、
お父さんは論外だとして、
いったい誰に相談すればいいのだろう。

『今日、とってもいい天気だよー？』

木の上から少女はまた不思議そうに問いかける。

.....いい天気、とは。

うだるような気温と、
てっぺんでギラギラ照り付ける太陽。
大人だったら即刻帰りたくなるような気候。

少女もさすがに熱いらしく、
その白い肌に、真珠のような丸い汗を
いくつも浮かべていた。

それでも遊ぼうとする子供の執念。

少年がそろそろ本格的に困りだした時。

ぽむっと。
頭に柔らかく、そのボールが当たった。

急なことで声も出ない少年に、
木の上から声がかけられる。

『じゃあさ、じゃあさ、
一緒に遊ぼう!』

少年が上を見上げれば、
それこそ太陽のように笑う彼女の姿が目に入った。

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