八話 ページ9
目が覚めるといきなり殴られる。流石にそれは聞いてない。
父「おい！何勝手に外に出た！昨日いなかっただろ？！」
不味い、あれ見られてたのか。
忘れてたがこの部屋には防犯カメラがある。
やらかした。そう思いながらも暴力が止まない。
ヒーローは助けてくれなかった。声も届かなかった。
今日は一段と怪我がひどい。まぁ、外に出たからだろう。…ッ自業自得だ。
そう思っていても疑問が湧いてくる。なんで、私はこんな個性を持って生まれたのだろう。ヒーローは本当に助けてくれる人なのだろう。
血の匂いが充満する檻の中で、包帯と血をみる。
“こんな生活が終わればいいのに”
いつものように心の中で呟く。
だけど、今日はいつもと違った。
体が熱かった。外にでて人酔いしたせいかと思ったけど何かが違う。
考えていると、ブワッと突風が起こり檻が壊れる。
なんで、なんで？どうやったら止めれるの？どうしよう、どうしよ、う。
自分が起こしてるということだけは分かった。
なんで、止められない？
私の個性じゃない。どうしよう、どうしよう。
考えてるうちにも、個性らしきものは暴れる。
風、石、炎、水。
色んなものが動く。
やだ、やだ、やだやだ。助けて。
突然のことにパニックになっているといつの間に庭に出ていた。
「…ち、て、落ち着、て！落ち着いて！」
お姉ちゃんの声が聞こえる。どうしよう、どうしよ。
止め方がわからない。私の個性じゃないけど、私から出てる。すると、お姉ちゃんの上から岩が落ちてくる。だめ、だめ、お姉ちゃん…！
すると、父や母が焦った顔でこちらに来る。
そこに上から庭にあった大きめの木が倒れてくる。
何でいきなり。どうしよう、お姉ちゃんたちが死んじゃう。
焦っていると段々炎などの勢いが激しくなっていく。
どうしよう、どうしよう、止められない。
そんなことを思う。まず、岩を除けよう。
お姉ちゃんの方は行こうとするものの、足の骨が折れていて転んでしまった。
…痛い、誰か
___助けて___
【新しい個性】
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