十二話 ページ13
あの後ある程度質問に答えると水を出してくれた。
恐る恐る飲むものの、毒は入っていない。
「今日から貴方にはここ
グラスを拭きながら、話す。きっと拒否権はないのだろうし、断ったら殴られる。それに、私はヒーローが嫌い。だったら、断る必要もない。
私は決断した。
『…私でよければ、入らせて、ください。』
そう言うと黒霧さんがにっこりと笑う。私の返事に満足したようだ。良かった。
コップの中の水を飲み、ここを見渡す。この家？にどうやって入ったんだろう。きっと、黒霧さんの個性だろうけれど詳細は分からない。そんなことを考えていると黒霧さんが質問をしてくる。
「貴方の個性は何ですか？」
まぁ、聞いてくるよね。黒霧さんも敵連合だしこれから先があるんだもん。
路地裏で生活している間に新しく出た個性を試して見てた。だけど、制御が難しいのか出たら出なかったりとあまり自分の思うように操れない。なのに、本当にピンチの時だけ操れる。なんか、きっとキーがあるのだろうけれどまだ、分からない。
『…私の個性は、浮遊、夜叉、あとなにか分からないんですけど本当ならあり得ないことを引き起こせる個性、です。』
「三つですか…。」
いや、でも元々一つだったのがお姉ちゃんから個性をもらってそのときに新しく個性が出て。
そう考えると、びっくりだ。
『その中でも浮遊は、重力に縛られない。と言う原理で飛ぶので、何事にも縛られない個性、です。』
「…！成程。」
『…ただ、まだ誰も扱いきれたないので急に発動したりします。』
そのあと黒霧さんも自分の個性と死柄木さんの個性について話してくれた。個性について一通り話し合えるとタイミング良く、死柄木さんが戻ってきた。
「お帰りなさい、死柄木弔。」
黒霧さんがそういうと椅子にドカッと座る。
すると、黒いお面と綺麗な眼帯をくれた。もらって良いのだろうか。そう思っていると、ズイッとこちらに近づけてくる。
「これ、やる。」
最初とは違い優しい声で話してくれた。久々に嬉しいと思ってしまう。今日から私もヴィランだ。
改めて、実感が湧いてくる。
『ありがとう、ございます。』
そう言うと、あっと言うような顔をされた。なにか、私がやっただろうか。
【私のヒーロー】
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