十六話 ページ17
セットしていたタイマーが鳴り、目を擦りながら止める。
昔の夢を見ていた。
呑気にそんなことを考えながら、時計の時間を見る。
『…ミ”』
変な声が出たけれど、そんなこと気にせず急いで着替え始める。今日は実技の日だから、早く行ってアップを取らないといけないのを忘れていた。
高速で着替えて、窓から飛び降りてグラウンドに向かう。同級生たちは、びっくりしていたけれどまだ先生は来ていない。セーフみたいだ。
アップを取りながら今日の夢について考える。
それにしても、凄く長い夢だったなぁ。
あんなに長い夢で、しかも内容を覚えてるなんて不思議ぃ…。
まぁ、いっか！今はアップに集中だなぁー。
今日もいつものように授業が始まる。
今日は実技が案外早く終わったので、弔達が行っているUSJに個性を使って相棒と一緒に行く。
少しだけ戦ったあと、オールマイトが弔を攻撃しようとしてたので、オールマイトを蹴りで吹っ飛ばす。
弔がびっくりしていたけれど、聞きたいことがあるから。と言うと少しだけ好きにさせてもらえるようになった。
私はずっとオールマイトに聞きたい、いや、言いたいことがあった。
吹き飛んだオールマイトは既に立っていたものの、浮遊を使って近づく。私に攻撃が当たらないことを不思議に思っているのか、焦っているのが分かる。
オールマイトの目の前にいきなり近づき、私は喋り出す。
『ねぇねぇ。昔、商店街の路地裏でヴィランを倒したこと覚えてる？』
『その時、子供がさぁ貴方に助けを求めたよね？』
オールマイトは小さく頷く。なぁんだ、気づいてたんじゃん。
『その子供が私だと言ったら？』
少し戯けながら、オールマイトに話しかける。うーん、なんで気づいてたのに助けてくれなかったんだろう。ヴィランが助けてくれたのにねぇ。
オールマイトの表情が見たことなかったので私は、純粋な疑問をぶつける、
『ねぇねぇ、今どんな気持ち？自分が助けれなかった人間がヴィランになっちゃった！悲しいの？悔しい？』
『…なんで助けてくれなかったの？』
私は目の前の人間に疑問をぶつける。わたしは、色んな人に質問をして答えを聞いて知るのが一番好きだ。
だから、本人に聞いた。
『どうして…？私は貴方の答えが聞きたい。』
【無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり】
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