.tn《優しい彼奴》 ページ3
貴方視点
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幹部に上がって、まず初めに紹介されたのは彼奴だった。
まるで山みたいに積み重なった書類が机上に見えて、忙しいことが丸分かりだった。
それなのに彼奴は、寝不足や疲れが色濃く残る顔で、笑って歓迎してくれた。
私を歓迎することよりも大事な書類が、仕事が、休息が、色々あっただろうに。
この時の出来事から、俗に言う「とても良い人」だと、「優しい人」だということがよくわかった。
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私の主な仕事は、彼奴と同じでほぼ書類仕事だった。
自分に回ってくる、他の幹部よりも2、3倍多い書類だけでも大変なのに、彼奴がやっている量は更にその5倍くらいはあった。
呆れたような表情は出していた物の、それを素早いスピードでこなしていくのは慣れの所業なのだろうか。
あぁ、それとも素早い思考回転力か。
もしくは……ただひたすらに優しさだけで動いているのだろうか。
まあ、兎に角彼奴は優しかった。
厳しい一面も勿論あったが、それは大体私達が悪い時や、私達が怪我をしそうになった時で、何時も私達のことを思って行動をしているようだった。
彼奴はまるで、いや、完全に、此処の軍のお母さんだった。
幹部の奴等が度々弄っていたが、元々の面倒見の良さも相まってまさにその通りだと思った。
彼奴のお母さんのような感じを出してる物としてはまず、先程も言った通り、優しいこと。
そして、とても料理が上手いこと。
他にも料理が上手い幹部は居たが、上手いの種類が違った。
例えるならば、そう、彼奴の料理の味はまさに実家のお母さんのような味だ。
初めて彼奴の料理を食べたときには、感動のあまり、暫く黙ってしまったくらいだ。
それから暫くの間、彼奴にご飯を作ってくれと頼み込んだのは、今やもう唯の楽しかった記憶でしかないけれど。
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これまで散々優しいと言ってきたが、戦争中は普段の優しさなんか感じられないくらい敵への容赦は無かった。
この時、堕天使と呼ばれる理由を垣間見た気がした。
まぁその後、戦場から帰ってきて何時もの平常っぷりを見た時は、ある種恐ろしかったりもして。
まぁでも、ちゃんとスイッチの切り替えが出来る凄い人なんだなと思ったりもして。
戦争後の処理は、通常の書類よりもずっと多いため、とても大変だったが、にも関わらず淡々とそれを、疲れていても裁いていく彼奴はとても尊敬していた。
まぁ、今でも尊敬はしている。
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飴模様(プロフ) - よにんさん» コメントありがとうございます！更新頻度はとても遅いですが、いつか続編出来たら良いな〜とか思ってます(多分無理ですけどw)。これからも頑張りますよ〜！ (2020年6月11日 17時) (
レス) id: ed9ba29053 (このIDを非表示/違反報告)
よにん - 滅んだあとって珍しいですね 応援しています！ (2020年6月10日 23時) (レス) id: e0e5b095e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飴模様 x他1人 | 作成日時：2020年4月18日 15時
