もう一人の敵 ページ16
そして放課後。
俺は足早に、生徒会室へ向かった。
高鳴る鼓動を抑えながら、冷えた銀のノブに手をかける。
――――私が好きなのは、レトだけよ
昨日の記憶がこだまする。
冗談だ。信じたくない。
でも、今はこれを信じるしかない。
きっといつか、自分の名前に変わることを信じて……。
ガチャ
静かな生徒会室に、ノブの開く音が響いた。
中には、こちらを真剣な表情で見つめている桜木先輩とレトさん。
『それで……答えは出たかしら？』
レトルト「……」
俺は首をゆっくりと縦に振った。
そして、桜木先輩の前まで歩いていき、頭を下げて紙を差し出した。
キヨ「ふつつかものですが、よろしくお願いします……！」
しなやかな手つきで紙を受け取り、真剣な眼差しでそれを見つめる桜木先輩。
レトさんも後ろから覗き込んでいた。
僅かな沈黙の末、張り詰めた空気が一言で変わった。
『っ！ よかった……』
先輩はまた、花が咲いたような笑顔を俺に向けてくれた。
レトさんも、俺に視線を移して満面笑を浮かべる。
レトルト「ありがとなぁ！ 俺、キヨ君のこと信じてたで！」
『これからよろし……』
「Aー？ どうだ頑張ってるかー？」
その先輩の(貴重な)言葉を遮るように、聞き覚えのある声が響いた。
刹那、戸が再びガチャリと音を立てる。
『う、牛沢先輩……！？』
レトルト「うっしー！？」
そこには、牛沢先輩の姿があった。
俺の、少し苦手な人。
牛沢「あ、、、A、仕事は順調か？？ 先輩が見に来てやったぞ」
俺のことを一瞬だけ見ると、何事もなかったかのように桜木先輩に向き直った。
どうしてこの人が……
レトルト「うっしーも心配性やなｗ」
『牛沢先輩、受験勉強の方大丈夫なのですか？ 元生徒会長として、私たちの仕事を確認してくださるのはとても嬉しいのですが……』
牛沢「おっ、A俺のこと心配なんだな！？ レトルトもドジしてねーか？」
え……？
今、聞き捨てならない言葉が……
牛沢先輩が、元生徒会長って……！？
そんな俺の表情を見て、牛沢先輩はにやりと笑った。
牛沢「知らなかったか？ これからは先輩を尊敬してもらわないとなぁ、"キヨ"？」
不敵な笑みを浮かべ話した先輩に、ちょっとイラついたが少し距離が縮まった気がして嬉しかった。
牛沢「あ、あとAは俺のだから、手を出さないよーに」
は？
続く
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hiroakannna(プロフ) - お初…です。とても面白いので続きが見たいです…お願いします。これからも頑張ってください！ (2019年10月14日 9時) (
レス) id: b2ab9312eb (このIDを非表示/違反報告)
。*:゜☆Chamomile☆゜:*。(プロフ) - もちうさぎさん» あぁぁりがとおぉぉございまぁぁす！（大声）そう言っていただけて、嬉しすぎて発狂しました（（頑張ります(｀･ω･´) (2019年1月13日 8時) (レス) id: 865a12b3ea (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ - とても面白かったです！！すんごい設定が私好みで……頑張ってください^^ (2019年1月12日 22時) (レス) id: 5eea963876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。*:゜☆Chamomile☆゜:*。 | 作成日時：2019年1月3日 16時
