オリオン 梅月に贈る ページ29
2月1日。
その日は、少しだけ特別だった。
去年のこの日は、
｢風丸。｣
｢……御剣?!どうして
帝国学園の正門前、目的の人物の名前を呼ぶと当の本人は目を真ん丸に見開き、驚きのあまりか一歩後退した。
｢どうしても何も、来ちゃマズイ？｣
｢いやそういう訳じゃないが……お前、練習終わるまで待ってたのか？｣
こちらの姿を見て言葉を一度噤んだ後、やや顔を顰めた風丸がまさか、と私に問う。
それにぎくりと体を固め、しらーっと目をそらす。
いやだって、恥ずかしいじゃないか、そんな、ずっと待ってただなんて。あざとい上に重い、そして女々しいが過ぎる。私らしくもない、こんな、馬鹿正直な純情乙女みたいなの。
そんな思いを巡らせると、急激に体温がぐんぐんと上がっていくような感覚に苛まれる。心拍もどんどん加速していき、いっそ死ぬのでは？と思う程に早鐘を打っている。
｢鼻、赤くなってるぞ。まったく…連絡のひとつでもくれれば……というか、グラウンドまで来ればよかったのに。警備の人に言えば入れてくれるだろ？｣
｢うう……いや、そうなんだけど、ね。すぐに済む用事だったし、ちょっとビックリさせたかったし、さすがに練習中にお邪魔するのは図々しいかと……｣
｢ミーティング中にしれっと侵入してきた奴の言葉じゃないぞ、それ。｣
ミーティング中に侵入……懐かしい。
去年、影山が戻ってきたと聞いて、帝国の状況を見に行ってやろうとこっそりお邪魔したことがあった。
あの時は本当に心臓止まるかと思った。だって風丸、影山の参謀みたいになってたんだもの。
闇堕ち？闇堕ち案件です？と当時内心困惑していたのを覚えている。
｢いや、あれはだな……本当は出てくるつもり無かったのよ。こっそりデータ拝借して誰に気づかれることなく立ち去る気だったのよ……でもお前が影山の参謀みたいになってたものだからつい。……って、その話は別にいいでしょう!!
そうじゃなくて、今日は別に話をしに来たわけじゃないの!!｣
｢お、おう、何かすまん……それで、結局何の用なんだ？｣
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弓女雅零(プロフ) - こっちにも来ちゃいました(笑)やっぱりこの小説好きですっ！！ (2019年2月25日 17時) (
レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リアトさん» リアトさん、はじめまして！コメントありがとうごさいます！ご指摘ありがとうございます！確認次第訂正いたします！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
リアト(プロフ) - こんばんは。いつも展開をドキドキしながら読ませて頂いてます。ところで誤字報告を少し。>「確かに何人か俺にチョコらしきものを私に来た女子がいた。」これは「渡し」ではないかと思いまして報告させて頂きました。次話、お待ちしております。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 809030045e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬真昼 - 分かりました！！というか返信してくれてありがとうございます！毎回毎回ご丁寧に…。私だったら返信しないまま放置ですよ多分。そういえばふと思ったんですが、次のイナオリで子文くんの正体が明らかになりますよね！見当ついてるけど…ゆきさんは分かりますよね！ (2019年1月27日 17時) (レス) id: 60ce0b2030 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬さんコメントありがとうございます！リクエスト、大変ありがたいお話なのですが、私事で大変申し訳ないのですが、モチベの関係で受け付けてないんですよ…本当にごめんなさい…でもバレンタインのお話は元々書く予定でしたので、そちらの方を是非見て頂ければ… (2019年1月27日 17時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2018年12月17日 23時
