GO･クロスト 薔薇の皇帝 ページ25
※坂本龍馬、沖田総司の手前
｢目が覚めたか？｣
｢……ん？｣
目の前に広がる、豪華絢爛の真紅ときらびやかな焔色の灯り。それらを背景にこちらに顔を近づけるように姿勢を低くし、腰に手を当てながら見下ろしている少女が、愛らしくも威厳のある声でそう言い放った。
誰……？
背格好は私よりも小柄に見えるが、その背負っているオーラは明らかに私なんかとは比べるのも無礼極まりない程に威厳あるものであった。
輝かんばかりの金の髪、周りの灯りの光をいっぱいに蓄えるように爛々としている大きな翡翠の瞳、薔薇のような真紅のドレスを纏ったその少女は、私が気がついたことを確認すると満足そうに、うむ、と一つ頷き、姿勢を真っ直ぐに戻した。
ふかふかとした感触に包まれていることに気がつく。柔らかくも適度に体に覆い被さる重みが、それが上質な寝具であることを物語っている。
私、なんで布団に……一体何がどうなって……そうだ、タイムジャンプ中にアクシデントがあって、それで、本来向かうはずだった時代とは別の時代、別の土地へと不時着したのだ。それから……
｢……っそうだ、皆…!!｣
｢案ずるな、貴様と共にいた者達も無事だ。寧ろ、目が覚めたのは貴様が最後だ。｣
がばっと、自身を包んでいた布団を押し退け、上体を勢いよく起き上がらせると、真紅の少女が穏やかな声でそう告げ、ドレスの裾をひるがえした。
｢他の者達に、貴様の目覚めを知らせてやるとしよう。……まだ無理に起きぬほうが良いぞ？何せ丸一日眠っていたのだからな。ついでに何か食事でも用意させよう。｣
｢え……?!｣
思った以上に意識を飛ばしていたことを知り、急に身体から力が抜け、またぽすり、と柔らかな布団に身を預けた。
｢参ったなぁ……これは情けない…というか、今ここどこなの……？｣
そう、肝心なことを忘れていた。
ここがいつのどこであるか。
あの少女の容姿を見る限りだと明らかに日本ではない。この部屋の家具やらを見ても間違いないだろう。…時代にもよるが、おそらくは西洋辺りだろうか。だとしてもどの国だろうか。
｢A先輩!!｣
｢よかったぁ〜〜!!先輩起きたやんね〜〜!!｣
葵と黄名子が私を視界に入れた途端、目をうるませながらものすごいスピードで近づいてきた。
｢ぅお……心配かけたな、ご覧の通りピンピンしてるよ。ほら、黄名子泣かない。｣
｢ぅうう〜〜〜………｣
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弓女雅零(プロフ) - こっちにも来ちゃいました(笑)やっぱりこの小説好きですっ！！ (2019年2月25日 17時) (
レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リアトさん» リアトさん、はじめまして！コメントありがとうごさいます！ご指摘ありがとうございます！確認次第訂正いたします！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
リアト(プロフ) - こんばんは。いつも展開をドキドキしながら読ませて頂いてます。ところで誤字報告を少し。>「確かに何人か俺にチョコらしきものを私に来た女子がいた。」これは「渡し」ではないかと思いまして報告させて頂きました。次話、お待ちしております。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 809030045e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬真昼 - 分かりました！！というか返信してくれてありがとうございます！毎回毎回ご丁寧に…。私だったら返信しないまま放置ですよ多分。そういえばふと思ったんですが、次のイナオリで子文くんの正体が明らかになりますよね！見当ついてるけど…ゆきさんは分かりますよね！ (2019年1月27日 17時) (レス) id: 60ce0b2030 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬さんコメントありがとうございます！リクエスト、大変ありがたいお話なのですが、私事で大変申し訳ないのですが、モチベの関係で受け付けてないんですよ…本当にごめんなさい…でもバレンタインのお話は元々書く予定でしたので、そちらの方を是非見て頂ければ… (2019年1月27日 17時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2018年12月17日 23時
