反転の兆 ページ27
｢御剣さん、ちょっとよろしいですかー？｣
｢うげ、監督｣
我ながらひどい反応だと思う。でも仕方ない、この人に呼び止められる時は大抵ろくなことが起こらない。
……神出鬼没な我らが中華ま…失礼、監督はこの日本代表一のトラブルメーカーである。
普段通り何を考えてるか全く読めない胡散臭い表情を浮かべながら、こちらに近づいてくる監督に溜息をつきながら、仕方なく話を聞くことを決断した。
｢……で、話って？｣
｢御剣さんに、次の試合の後半戦までにやって欲しいことがありマス｣
｢……面倒事の予感｣
｢それでは小耳を拝借｣
｢……｣
｢…──｣
｢………えぇ……なんで私が…西蔭に行かせたらいいでしょそれ……｣
いやだ、何が悲しくて試合を抜けてまでそんな面倒引き受けなければならないのだ。いや、試合中の時間じゃなければ別に面倒ではないのだが。
｢監督命令はー？｣
｢……ゼッターイ…｣
｢よろしくお願いしマスネー｣
くっそ……あの監督いつか絶対ギャフンて言わせる……監督命令は絶対とかいう絶対王政ルールなんてぶっ壊してやる……
つらつらと心の中で監督への恨み言を唱えながら食堂へ向かっていると、後ろから何やらタッタッタッと靴音が忙しなく聞こえてきた。
一体何事かと後ろを振り返ると、買い物袋を手に提げた杏奈が珍しく血相を悪くして、前髪が乱れることもお構い無しにこちらに向かってきていた。
ふと、もう一人、彼女と共に外出していたはずの姿が見えないことに気づく。
杏奈は私の姿を確認するなり、ぱっと鮮やかな青色の目をこちらに向けて私の名前を呼んだ。
｢どうしたの杏奈、そんなに急いで。円堂と買い出しに行ってたんじゃ……｣
そう、円堂がいない。彼女の買い出しに付き合う、と名乗りを上げた円堂が、何故か一向に姿を現さない。
｢円堂さんが、円堂さんが……!!｣
｢とりあえず落ち着いて、荷物片付けてみんなに状況説明して、私だけが知っても意味ない｣
｢っ、はい……ごめんなさい、取り乱しちゃって｣
徐々に落ち着きを取り戻した杏奈は肩で息をしていたのを深呼吸に切り替え、やがて普段通りの冷静な神門杏奈に戻っていた。
｢監督と他の連中呼んでくるから、杏奈は先に食堂で待ってて｣
｢分かりました……あの、先輩｣
｢んー？｣
｢……大丈夫、ですよね｣
｢状況によるけど、余程じゃない限りは大丈夫だ｣
不安げに瞳を揺らす杏奈の頭を撫でてやり、私は他の連中を呼び集めに向かった。
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フィル - こんにちは。 個人的なんですが、イナイレと鬼滅の刃やってほしいです。 (2019年11月13日 14時) (
レス) id: 0d12e6f332 (このIDを非表示/違反報告)
灰楯M - こんにちは。最新話拝見いたしました。風丸さんの固い決意が一語一句から感じとれます……。御剣さんも幸せになって……。 (2019年2月10日 10時) (レス) id: 554f9301e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 野坂君尊いさん» 野坂君尊いさんはじめまして!!返信遅くなりまして大変申し訳ありません。誤字指摘ありがとうございます……!!確認したところ確かにそうでした……!!ご指摘感謝します、ありがとうございます!! (2019年2月9日 23時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
野坂君尊い - 初コメ失礼します！毎話楽しみに拝見させていただいています！質問なんですが、ページ34の新タクティクスのところ、"剛と柔"ではなく、"コードG"ではないですか？ これからも更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年2月3日 16時) (レス) id: 5271d69b7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬真昼さん、いつもコメントありがとうございます!!そ、そうなんですか……?!ありがとうございます!!まだ見れてないんですよ〜…あっ、バレンタインすっかり失念してました……!!それですよね……公式のサプライズ、今年もあるといいですよね…… (2019年1月25日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2018年11月22日 19時
