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野坂のやつ、風丸には違うこと頼んだのか。
……ていうか、どうせめぐりめぐって私の元にも風丸への案件が届くことも、どうせあいつなら見抜いてるはずなのに。
脳裏に、野坂の腹立たしいくらい爽やかな笑顔が映る。……あいつ、まさか余計なお節介焼いたな。
｢……御剣？｣
｢うん？あ、いや、ありがと。しかし、野坂のやつもよくもまああんなにぽんぽん裏工作できるよな、現場にいないのに……流石皇帝サマ…｣
｢裏工作に関してはお前もだろ。……ん？あんなに？｣
｢否定はしないけど……あぁ、うん、私にも別の案件任されたの。でも実行は試合中だから風丸の方は手伝える、ので、特に気にしなさんな｣
椅子から立ち上がり、ぽんぽん、と風丸の肩を数回軽く叩く。
きょとんとした顔の風丸が目を瞬かせている間に、冷蔵庫から棒付き飴を一本取り出し、風丸の方に放ってやる。
｢ほら｣
｢……っと、飴？｣
｢お礼。｣
｢……唐辛子って書いてるんだが｣
｢面白いだろ｣
｢…………｣
･
飴の味に微妙な表情を浮かべた風丸を見送った後、私はベッドに雪崩込むように転がった。
｢……頭の痛いことになってきたなぁ…｣
ゴロリ、と寝返りを打ち、スマホに半ば無意識的に手を伸ばす。
画面に明かりを点し、受話器のマークを指でトン、と叩く。
電話帳に並べられた名前の羅列の中にある、祖母の名前を見つめた。
｢……どうしようね、おばあちゃん。私、今度こそダメかもしれない｣
我ながら弱気で情けないことだ、と目を伏せる。
あの二人に殺されるのは別にどうだっていい。体のいい人形にされるより余程いい。ただ、私はまだここに居たい。
……やっと、風丸達と同じフィールドで、同じチームでサッカーができるのに、それを一瞬の夢で終わらせたくなんてない。
それに、今ここで離脱なんてしてみろ。オリオン財団に負けたみたいじゃないか。
｢……死んでも負けてやらない｣
誰に届くでもない独白は、静かに空気に霧散して行くが、私の胸には強く、深い決意として刻まれていた。
･
……ーあなた、だれ。
……──私はねぇ、あなたのおばあちゃんよ。
優しい声が、すうっと胸に馴染むようだった。
警察官達に保護されていた私の元に、ひときわ安心する気配を持ったお婆さんが近寄ってきて、目線を合わせてきた。
初めて感じた"生きている"という感触に、どうしようもなく涙が零れた。
遠い優しい記憶に、眠りは驚く程穏やかなものとなっていた。
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フィル - こんにちは。 個人的なんですが、イナイレと鬼滅の刃やってほしいです。 (2019年11月13日 14時) (
レス) id: 0d12e6f332 (このIDを非表示/違反報告)
灰楯M - こんにちは。最新話拝見いたしました。風丸さんの固い決意が一語一句から感じとれます……。御剣さんも幸せになって……。 (2019年2月10日 10時) (レス) id: 554f9301e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 野坂君尊いさん» 野坂君尊いさんはじめまして!!返信遅くなりまして大変申し訳ありません。誤字指摘ありがとうございます……!!確認したところ確かにそうでした……!!ご指摘感謝します、ありがとうございます!! (2019年2月9日 23時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
野坂君尊い - 初コメ失礼します！毎話楽しみに拝見させていただいています！質問なんですが、ページ34の新タクティクスのところ、"剛と柔"ではなく、"コードG"ではないですか？ これからも更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年2月3日 16時) (レス) id: 5271d69b7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬真昼さん、いつもコメントありがとうございます!!そ、そうなんですか……?!ありがとうございます!!まだ見れてないんですよ〜…あっ、バレンタインすっかり失念してました……!!それですよね……公式のサプライズ、今年もあるといいですよね…… (2019年1月25日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2018年11月22日 19時
