脳漿炸裂ボーイ 「だいたい猪突猛進で」 【ひかけと】

一章　制服ヒエラルキー ページ4

ねぇ、最初に言い出した奴は誰だよ？



「月とスッポン」っていう、クソみたいな言い回しをさ！！






だってさ、月とスッポンを比べる必要ありますか？







いくら姿が似てたとしても、まんまるい形をしている者なんて、この世にゴマンとあるでしょ。






それに、よくよく考えたら、月とスッポンって似てなくないか？









実物みたことないけど、スッポンって、亀の進化形みたいなやつだろ？たいして丸くなさそうじゃん。なんか口のところウニュッって尖ってそうだし。






え？なんで月とスッポンにそこまで怒ってるかって？





それを説明するには、この街の男子高事情を話さなくっちゃならない。









俺が暮らす街には、男子高生が二校ある。




「聖アルテミス男学院」と「私立さざなみ男子高等学校」だ。









聖アルテミス男学院は、超がつく程のお坊ちゃま学校。





通う生徒の学力、容姿、家柄、何もかもがハイグレード。







ネットオークションで制服はウン百万円で取引されているし、最近じゃ学院の生徒と握手すると幸運が舞い降りるなんて都市伝説もあるらしい。







もし彼が聖アルテミス男学院の生徒ならば、女は間違いなく友達に紹介しまくり自慢しまくり。フェイスブックでは交際中を高らかに宣言。ツイッターのアイコンを彼とのプり画像にしちゃったりなんかするだろう。









一方の「私立さざなみ男子高等学校」は超がつくほどではないけれど、いわゆるバカ学校。




高校受験の滑り止めとして選ぶならココ。

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