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二章 天然色ロシアンルーレット ページ29

「ずっとずっと待ってた、この瞬間を…!」





銃口で何度もオデコを小突かれ、田篠の眼鏡が地面へと落下していった。




空高くあげた彼の両手は白色と赤色。








右手が赤いのは、さっき撃たれた時にできた傷の所為だ。いつの間にか出血は止まったようだが、燻った赤色の手袋を見ているだけで、こっちまでズキズキと手が痛くなりそうだった。









「そのまま跪け」




田篠は素直に従い、静かに地面に膝をついた。









空気の読めない俺の脳みそが興奮気味に訴えてくる。





これって、よく映画である展開やつじゃんって。









お母さんが好きな海外の俳優…へそピみたいな名前の略され方してる人。




名前思い出せないけど、その人が刑事の役やってる映画でこんな風に犯人に銃を突きつけるシーンがあった気がする。









あの映画だと結局主人公は犯人を撃つんだっけ、撃たないんだっけ?








「日本中の学校を転々と動き回ってるみたいだな」









俺が馬鹿みたいな自問自答を繰り返している間にも、少年は会話を続けていく。




彼の問に田篠は、ヤケに聞き心地の好い低い声を響かせた。









「えぇ、それが仕事ですから」




されるがままになっている男は死がすぐそこまで忍び寄ってきているのに表情ひとつ変えない。一方、少年は怒りを抑えきれずに、顔を歪めながら思いっきり怒鳴った。






「仕事なんて言葉で、自分の行いを正当化してんじゃねぇよこの野郎!!!!!!!」




そう言って彼は地面に落ちた田篠の眼鏡を思いっきり踏みつぶした。









バリンと微かな音を立てて、レンズは呆気ないくらい簡単に粉々に砕けて散る。





無惨に曲がったフレームを彼は感情のまま蹴り飛ばし、それは田篠の膝にコツンとぶつかった。

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設定タグ:山田涼介 , 岡本圭人 , 八乙女光   
作品ジャンル:ホラー
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*:)手越祐也@加藤シゲアキ(:*(プロフ) - ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年12月18日 9時) (レス) id: 726ef27e93 (このIDを非表示/違反報告)
弱井(プロフ) - あれ…脳漿炸裂ガールの本持ってるけど…これ…まぁいいや((ボーイ格好いいです!…ちょっと怖いけど←更新楽しみにしてます (2016年12月17日 21時) (レス) id: 156be97d0d (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾優花@いのあり、リュウ、アラン厨(プロフ) - どうしたwもしかして怖いの苦手? (2016年8月23日 18時) (レス) id: 0d6d5fb4d2 (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんBEST(プロフ) - (ToT)(T_T)(ToT)(T_T) (2016年8月22日 23時) (レス) id: eacec3ed53 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾優花@いのあり、リュウ、アラン厨(プロフ) - いのちゃんBESTさん» ホラーをテーマにした小説だからw (2016年8月22日 21時) (レス) id: 0d6d5fb4d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天藍凜@シェゾ依存症 x他4人 | 作者ホームページ:リア充ぶっ飛べ!  
作成日時:2016年8月18日 21時

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