玖の話 ページ10
大俱利伽羅に連れられて向かったのは、大広間だった。
どうやら、いつもここでみんな集まって食べるらしい。
滑りのいいふすまを開けると顔を出してきたのは、えっと・・・
燭台切「からちゃん、ありがとう。僕は燭台切光忠、よろしく、赤心君。」
そう言って手を伸ばしてきた、燭台切。
「すまないな、まだ名前が憶えられてなくて。これから世話になる、燭台切。」
伸ばされた手を握り返した。
食事はいつも、燭台切と、歌仙というやつが作っているらしい。
今日は、俺が来た祝いで、ごちそうを作ったらしい。
あとでお礼を言はなくてはいけないな。
大俱利伽羅「・・・、いい加減中に入れろ。」
そういえばまだ部屋に入ってなかったな。
燭台切「ああ、そうだったね。ごめん。」
あとは俺と大俱利伽羅だけだったようだ。
「待たせて悪かった。」
歌仙「いいや、大丈夫だよ。君はここに座り給え。」
「ありがとう。」
大俱利伽羅は横を通り過ぎ、燭台切の近くに座った。
審神者「よし、みんな揃ったから、食べるか！いただきます！」
『いただきます！』
主人の掛け声でみんな食べ始めた。
「・・・・うまい。」
思わず声が漏れた、それぐらい、初めて食べたご飯はおいしかった。
歌仙「本当かい！よかった。君が気に入ってくれたようで、頑張って作ったかいがあったよ。
僕は歌仙兼定。よろしく頼むよ、赤心。」
・・・・兼定。和泉守と同じ名前。
「ああ、これから、世話になる。ありがとうな、自分のためにごちそう作ってくれたんだろう。
これからは、これからは、自分にもできるようなことは手伝うから、言ってくれ。」
兼定と聞いて胸がざわついた。
俺が最後に山南さんと戦った日。
俺の最後の戦いを共にした。
情けない奴だって思ってるんだろうな。
主人を守り切れず、挙句の果てに自分は折れた。
山南さんに大きな傷を残したまま
・
・
・
・
歌仙「赤心、どうかしたのかい？箸が止まっているけれど？」
歌仙の声に、現実世界に呼び戻された。
「・・・ああ、わるい、少し疲れただけなんだ、慣れないことが、たくさんあって。」
つい考え込んでしまった。
しっかりしなければ
歌仙「そうかい、ならば今日はむりせずに休むといい。」
変に心配をかけてしまった。
「ああ、そうさせてもらうよ。」
こんなんじゃ守り切れないよな。
もう、失いたくないのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒崎柚希(プロフ) - 魂祐さん» いつもありがとうございます。あやふやなことの多いい方についていた私も悪かったのですが、山南さんについては、やまなみ、さんなん、両方の説があったため一般的に知られている方で書かせていただいております。詳しくはWikipediaでのご確認お願いします。 (2018年1月9日 18時) (
レス) id: ca4c1fbb9e (このIDを非表示/違反報告)
魂祐(プロフ) - 山南の読み方はさんなんです! (2018年1月9日 14時) (レス) id: d1ac70f351 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎柚希(プロフ) - 菊玄さん» コメントありがとうございます。副長と総長の両方とも言われているので、この話の中では、副長ということにさせていただいております。詳しくはWikipediaでご確認お願い致します。紛らわしくすみません。 (2017年12月21日 23時) (レス) id: ca4c1fbb9e (このIDを非表示/違反報告)
菊玄(プロフ) - 設定の所の山南さんの役職は、総長ではないのですか？ (2017年12月20日 3時) (レス) id: 5fb1788fa7 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎柚希(プロフ) - 魂祐さん» すみません！気づきませんでした。ご指摘ありがとうございます。 (2017年12月10日 16時) (レス) id: ca4c1fbb9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒崎柚希 | 作成日時：2017年8月26日 0時
