けもみみさんたちと暮らしてます！【実況者】

不和月ちゃんと初詣さん。ばんがいへんっ！ ページ34

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年に一度の初詣
一番怖い事は...


『置いて行かれた...』


そう、迷子である

この年にもなって迷子とはとても恥ずかしいが言い訳をさせてほしい

帽子がずれたら危ないと言っているにもかかわらずそれぞれ別方向へダッシュするあの人達が悪いんだ

今頃それぞれで別行動しながら楽しんでいる人達を恨みながらも闇雲に歩く

いざとなったら携帯もあるし安心だね
充電もたっぷりあるし、たまには１人で行動しようかな


『あ、甘酒配ってる。貰ってこようかな』


いつもは誰かが返事をくれる言葉も今は虚しく地面に溶ける

少し悲しくなる辺り、あの騒がしさが好きだったという事を自覚してしまう


『すごい混んでるな〜...あれ？』


「ん？...あっ、A！」


行列を眺めていると見覚えのある後姿
どうやら先程別れた内の一人みたいだ


『もうっ！走っちゃダメって言ったじゃないですか！』


「ごめんママ〜。つい楽しくて〜」


『ママじゃありません！』


この騒がしさ、やっぱり好き
静かなのは性に合わないしね！


『みんなバラバラになっちゃいましたね』


「後で合流すればいいし、２人で回らない？」


『お気楽過ぎませんか』


とは言っても断る理由もないので一緒に回る

他の方には集合時間と場所をメールで一斉送信して自由行動開始
問題を起こさないことを祈ろう


「お賽銭箱のとこ空いてんじゃん！今のうちにLet's go！」


『わっ！？走っちゃダメですってば！』


さっき注意したばかりなのに早速ダッシュしていく
ちゃんと話聞いてたんですかねぇ...？

あ、発音にはツッコみませんから


『早いっすよ！またはぐれたらどうするんですか！』


「おぉ、ごめんごめん。」


ほい、と言い手を差し出してくる

これは、その、握れって言うことですかね？
恥ずかしくて手を引っ込めたり伸ばしたりしていると、彼の方から握ってくる


「ふふ、顔あか〜い」


『...貴方も赤いですよ』


私は頬を隠すようにマフラーに顔をうずめる
手を繋いで、お祈りをしたらまた手を繋ぐ


『なにを、お願いしたんですか？』


「内緒〜！」


『え〜』


集合時間まで右手と心は暖かいまま
たまには誰かと２人きりもいいかな

...なんて照れ隠し





"これからも皆で仲良くできますように"
"俺の恋、叶いますように"

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