3.語彙力 ページ4
side:宮侑
……俺、トランペットぶつけるぞって言われた?言われとったよな?俺。
てかなんでや、トランペットぶつけられたら俺死ぬやん。アイツ、俺のファンやなかったんか?いつもギャラリーでキャーキャー言うとったのに?
頭にはてなマークを浮かべながら体育館へ戻っとるとすぐにサムが「どうやった?」と聞いてきた。
「なんか、トランペットぶつけんぞって言われたんやけど」
「ブッ」
なんでお前が吹くねん角名!!!!!!
アランくんもバレとるからな!!笑ってんのバレとるからな!!!!
「トランペットで殺されんようにな」
「伊統さん、そんなこと言うんだ」
「ツム死んだやん」
いい加減笑うのやめろや!!!!!
そう言うたら角名に面白いから無理と返された。知らんわ、お前がおもろいとか知らんわ!!俺は面白くないねん!!
ギャラリーもようやくいなくなったっちゅうのに……
「ちなみになんて言ったの?」
「グッてやるからバンッて止めて欲しいって言ったわ」
「そりゃ伊統さんトランペットぶつけとうなるわ、しかも北さんに言わずに行ったんやから尚更」
「俺の何があかんの!?」
「語彙力やな」
「語彙力」
「全て」
おいサム、聞こえとるぞ。全てって聞ぃたからな。サムの晩飯食ってやるからな。
コートの片付けを放ったらかしにして話してたら練習中怪我して保健室に言っとった北さんがちょうど戻ってきた。
あかん、全然片付けしてへん。あかん。トランペットより先に北さんに殺されてまうかもしれん。
「……はよ片付けしぃや」
「「はい!!!!!」」
「あ、北さん北さん。さっき侑が吹部にサーブの時演奏止めてくれって頼みに行ってですね…」
「ほぉ?勝手に行ったんか?」
「そうです。それで、俺と同じクラスの伊統さんに言ったらしいんですよ。なんて言ったと思います?
「グッてやるからバンッて止めて欲しい」ですって」
「…………侑、今度は俺に言うてから行く、ちゃんと文章にする。分かったか?」
「はい!!!!」
北さんの圧力に負けた俺は返事せざるを得なかった。
………グッてやるからバンッて止めて欲しいのどこがダメなん?こう、グッてやって……そしたら演奏がバンッて止まるのかっこええやん。
まぁええわ。サムと角名と同じクラスなんやからいつでも話せるやろ。
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サラミ - つ…つづきを… (2022年11月3日 17時) (レス) @page34 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続キ求ム (2021年5月12日 23時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - ふぐひらめさん» それは「台本書き」というものでしっかりとした小説の特徴ではないですよー (2020年12月15日 21時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 宮侑だ…!好きですー! (2020年12月5日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
@穂実(プロフ) - 面白いです!がんばってください! (2020年10月12日 18時) (レス) id: 596dab791f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel
作成日時:2020年7月21日 21時