うるせぇ、トランペットぶつけんぞ【宮侑】 (ページ22)

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21.無意識ページ22

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炎天下の中、私は山に向かってトランペットを吹き続ける。

周りにはうちわを持ってパタパタしている人達がズラリ。私はトランペットを吹き続けている。

そう、私は赤点を回避したのだ。そしてしつこく俺も行く俺も行く言ってた男バレ部員(主に宮侑)を振り切ってこの都会にやってきた。

伊統A、今日飛躍の時を迎えます。

「しっかし、男バレおらんとな〜んかやる気でぇへんよなぁ〜」

「そうすか？俺は絶好調ですけど。アイツらいないから」

「あんたはぶどうが取られると思っとるからやろ」

『やめてくださいコイツにモテても頭良くなるだけじゃないですか』

「それいいことやん」

「は？なんで俺がお前のこと好き前提なわけなん？？お前がおると宮ツインズ+角名がついてくるやん寧ろ嫌いやわ」

『ちょっと寂しいです』

「知らん」

ゾロゾロと吹部が体育館に戻っていく。

舞台は森然高校。参加高校は烏野、音駒、梟谷、森然、生川高校、そして我らが稲荷崎吹奏楽部である。

何故稲荷崎男バレを呼ばなかった…！！と初めに思ったが部長曰く「稲荷崎が入ったら全勝ちやん、練習にならへん」だって。それ自分の高校棚に上げてるだけじゃないんですかね。

「うおーっ！！吹部！！かっけぇ！！なぁなぁ影山、あれってトランペット！？」

「俺に聞くな」

「俺達に応援歌流したりしてくんねーのかな！？」

「馬鹿じゃないの？稲荷崎の吹奏楽部なんだから稲荷崎の応援しかしないでしょ」

オレンジ頭とM字前髪、眼鏡のっぽが入ってきた吹部を見て思い思いに口を開く。

吹部は別にかっこよくもなんともないんだけど……アッ持つところ違う？すみませんパーカッションの皆様。運べればどこでも良くないですかね。アッダメ？ごめんなさい。

「ふっふっふ、うちら稲荷崎吹奏楽部は寛大な心で演奏してやるで」

「うぉっ！？マジですか！？やってもらおうぜ！！」

「ぶどうがな！！」

『うわ丸投げ良くないです部長』

「うちらも暇じゃないねん。あんたなら余裕やろ」

「ほら相棒持って行けや」

『私に冷たい奴らめ……あーあ、宮侑なら「また吹いてくれるんか！？」って喜んでくれるのになぁ』

「あんた自分から侑くんの話しとるやん。あれだけうちに宮侑の話はするな！ゆーとったのに」

アッ

無意識でした。