16.レベル高め ページ17
しばらくするともう1人入ってくる音がした。誰かは知らないが助けてくれ、マジで。そろそろ寒いぞ。忘れてると思うが私今濡れてるからな。あと血も出てるからな。
後から入ってきた人物も驚いたような音を漏らし、こう言った。
「あかんてこれ、無理や」
『諦めんなよ!!!!!!』
ガンッと両手でドアを叩く。ドア壊したい。切実に壊したい。
すると部長がこんなことを言い始めた。
「上から出てきぃや。トイレの蓋とかに乗って頑張り。出てきたらコイツが受止めたるから」
「きゃー頑張ってー」
「え俺なん?まぁええですけど……来いや、伊統さん!!」
『うわさっき入ってきたの宮侑かよ女子トイレに入ってきてんじゃねぇぞ!!!』
「俺だって入りたくて入った訳やないねん!!先生来る前にはよ!!」
さっき私が諦めた方法じゃねぇかこの野郎……………
しかも入ってきたの宮侑かよ…………喜べねぇ…………いや助けてくれるのならありがたいですけど……
1分くらい悩んだ後、出られるならなんでもいいという考えに陥ったため上から出ることにした。一体外には何があるんだ。そんなにやばいのか。
トイレに足をかけて壁を上手く使い、どうにか上から顔を出す。そこから見えたのは分厚い木の板で塞がれている個室だった。
『嫌がらせのレベル高くない?!』
「あ、出てきた。ほな行け侑くん!うちらは無理や!重い!!」
『部長後でホルンぶつけますね』
「来いや相棒っ!!!」
『お前もお前でうっさいわ!!』
何とか足を上にかけて、個室からは出られた。あとは飛び降りるだけ。
そんな高い訳では無いけど中々に高いので勇気がいるこの1歩である。ヒェ……オリタクナイ……
下を見ると宮侑が両手を広げて「来い!」と何回も言っていた。そろそろ黙ってくれませんかねぇ!!!
しかしここから降りないと部活動に行けないし、部長もそんな長い間練習を抜けるのもあれだろう。早く降りないといけないのは分かってるが………
怖いもんは怖い!!!以上!!!!
ずっと上で降りないでいると友達が痺れを切らしたように大声を出す。
「いい加減にせんと先生呼ぶで!!!!!???」
『すみませんでした今降ります!!!行くぞ宮侑!!!!』
そう言うと同時に個室の上の狭い幅を足で蹴る。空を飛んでいる気分。頭天井にぶつけた。こちとら濡れてんだよ血出てんだよこれ以上怪我させんな
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サラミ - つ…つづきを… (2022年11月3日 17時) (レス) @page34 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続キ求ム (2021年5月12日 23時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - ふぐひらめさん» それは「台本書き」というものでしっかりとした小説の特徴ではないですよー (2020年12月15日 21時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 宮侑だ…!好きですー! (2020年12月5日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
@穂実(プロフ) - 面白いです!がんばってください! (2020年10月12日 18時) (レス) id: 596dab791f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel
作成日時:2020年7月21日 21時