百二十七話 ページ37
走る。走る。
無我夢中で。
風をきる音と誰かの断末魔。
バタバタと人が倒れていく音。
それが藤宮のものではないと祈りながら。
ふと視界の端に映ったのは、倒れた男が懐から針を出す瞬間。
しかし遅かった。
キラリと光るその針はA目掛けて飛んできた。
A｢…っ！｣
しかし痛みは一向にやって来ない。
それもそのはず…
A｢…っ藤宮!?｣
藤宮｢構うな!!走れ!!｣
そう叫ぶ彼を横目に、再び走り出す。
あと少し…。
そして門の外まで出て振り返ると…
ドクン、と。
心臓が嫌な音を立てた。
彼が自分に背を向けて立っている。
なぜこっちに来ない。
早くこっちに来い。
嫌な汗が背中を伝う。
A｢何してる!?早く来い!!｣
そんな呼びかけにも彼は振り返らない。
連れ戻そうと足を踏み出すと、誰かに腕をつかまれる。
原田｢A、無事だったか!?｣
土方、斎藤、沖田、藤堂、永倉たちが騒ぎを聞きつけてやって来たのだ。
安心した様子の原田たちの耳に、藤宮の声が届いた。
藤宮｢早く門を閉めろ!!｣
永倉｢何言ってんだ!!お前も早く出てこい！｣
しかし彼には聞こえないのか…。
はたまた聞こえない“ふり”をしているのか。
藤宮｢閉めろって言ってんだよ!!｣
永倉｢なっ…。｣
そう叫ぶ彼は唇を噛み締め、もう一度小さく、頼むと…。
彼の思いを汲み取ったのか、土方はポツリと閉めろとつぶやいた。
藤堂｢でも土方さん!!｣
土方｢早く閉めろ!!｣
A｢待って土方さん!!あいつは…っ!!あいつは裏切ってなんかない!!｣
土方｢分かってる…っ。｣
拳を握りしめながら言う土方を見て、Aの手は小刻みに震え始めた。
悔しげな表情のまま、永倉と原田は門の扉をゆっくりと閉めていく。
A｢…いやっ!!…やめてっ!!｣
沖田｢っA…!!｣
飛び出そうとするAの腕を掴み、沖田はぎゅっと暴れる彼女を抱きしめる。
A｢お願い、離してっ!!｣
沖田｢っ…｣
彼女の気持ちは痛いほどわかる。
でも2人の目線の先にいる彼の思いが無駄になってしまう。
と、一瞬。
見つめた先の彼の口が動いた…
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聖奈 - 名前変更します。蒼空（そら）にします (2018年5月19日 5時) (
レス) id: d7db9c51fd (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 心音聖奈で、ホムペ作りました！お手間をお掛けしますが、そっちでコメ返宜しくお願いします！ (2018年5月18日 18時) (レス) id: d7db9c51fd (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 桜龍さん、続きが読みたいです。あと、よろしければ友達になってください！コメ返待ってます！ (2018年5月18日 17時) (レス) id: d7db9c51fd (このIDを非表示/違反報告)
桜龍(プロフ) - メイさん» ありがとうございます！そう言っていただけると本当に有難いです…。ありがとうございます！ (2016年3月14日 23時) (レス) id: d00e888924 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - お疲れ様です！！早く続きが見たい！！！！更新頑張ってくださいo(^_-)O (2016年3月14日 19時) (レス) id: 220a9c4263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜龍 | 作成日時：2014年5月29日 23時
