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百十二話 ページ21

一方その頃…。
相変わらずしつこく付きまとってくる男から逃げつつ、Aは斎藤たちの元へと急いでいた。

角を曲がり、もう少しで目的の部屋に着くと安心する…。が。


男「…うぉ!?」

A「っ!?」


曲がったと同時に、着慣れない着物のせいでつまずいてその場に倒れ込んでしまった。
まずい。
そう思ったのも束の間。
後ろから追いかけてきていた男がすぐそこまで来ていた。


A「あーもう!しつこい!」


苛立ちながらも立ち上がり、歩きだそうとした瞬間、男に腕を掴まれた。


A「っ!!」

男「つかまえたぞ…。逃げ足の早ぇ女だな。」

A「は、離せ…っ!!」


男はニヤニヤと笑い、一向に離そうとしない。

【怖い】

だんだんと足が震え、その場から動けなくなっていると、意外な人物の声が耳に届いた。


???「こんな女を口説こうなどと考える男がいたとはな…。物好きなやつもいるものなのだな。」

A「…あ?今なんつった?ボケ。」

男「…何だお前は?…邪魔すんじゃねーよ!
…いっててててて!!!!!?」


思い切り男の腕を捻りあげたその人物は…。
忌々しそうに、深紅の瞳を細めながら、その視線を彼女に向けた。


A「なんであんたがここにいるの?ってゆーか、どういう風の吹き回し?」

風間「格好は女でも、中身は男さながらだな。」

A「その口縫ってやろうか?」


嫌味しか言えないのか、この男は。
大きくため息を吐くAを横目に、風間は男を突き飛ばした。
男は風間の殺気に怖気付いたのか、その場からそそくさと逃げていく。


風間「さて…。」


くるりとAの方に向き直り、ニヤリと怪しい笑みを浮かべる。
それと同時に、Aは着物の中に隠していた短刀を握る。


風間「よせ。今お前を殺そうなどとは考えておらん。」

A「ほんとに…、どういう風の吹き回し?」

風間「先ほどまで男に怯えていた女が…。よく言う…。」

A「…っ。」


先ほどのことを思い出し、Aはぐっと唇を噛み締めた。

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設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司 , 薄桜鬼沖田   
作品ジャンル:恋愛
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聖奈 - 名前変更します。蒼空(そら)にします (2018年5月19日 5時) (レス) id: d7db9c51fd (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 心音聖奈で、ホムペ作りました!お手間をお掛けしますが、そっちでコメ返宜しくお願いします! (2018年5月18日 18時) (レス) id: d7db9c51fd (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 桜龍さん、続きが読みたいです。あと、よろしければ友達になってください!コメ返待ってます! (2018年5月18日 17時) (レス) id: d7db9c51fd (このIDを非表示/違反報告)
桜龍(プロフ) - メイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると本当に有難いです…。ありがとうございます! (2016年3月14日 23時) (レス) id: d00e888924 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - お疲れ様です!!早く続きが見たい!!!!更新頑張ってくださいo(^_-)O (2016年3月14日 19時) (レス) id: 220a9c4263 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜龍 | 作成日時:2014年5月29日 23時

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