【戦国BASARA】短編集

真田主従 ページ16

(佐助side)



「A、今日は元気がないでござるな。」


今日の分の団子を買いに一緒に来た旦那が、
店先にいるAに心配そうに声をかける。

確かに、最近疲れているような感じがするな。
顔色は青白く、目の下には隈が浮かんでいる。


「旦那の言う通りだよ。大丈夫、A?」

続けて声をかけると、青白い顔を上げて、
「大丈夫だよ。」と、大丈夫じゃない顔で言った。

そんな様子にさらに心配が募る。


もしかして、バレてしまっただろうか。


「本当は、何があったの?」

Aと目を合わせて、そう聞くと、
酷く悲しい顔で話し始めた。

「最近、長く一緒にいる人が消えていくんです。
それに、その度に店の前に消えた人達の私物が
血だらけで置いてあって...!」


思いがけない返しで、旦那と顔を見合わせた。


「それは大変でござるな。
Aは、怪我をしていないよな?」

「うん、してないよ。
でも僕とは関わらない方がいいかも。」

「俺達は強いから大丈夫だ!! なっ、佐助!」


よかった、バレてなかった。

旦那に同意しながら、
どうしても上がる口角を必死に隠す。

旦那もつくろってはいるが、
内心はとても嬉しいんじゃないかな。

Aもありがとうなんて喜ぶから、
尚更顔が緩む。




Aから団子を受け取ると、城の方に歩き出す。

後ろで、知らない男がAに話しかけていた。


「次はあの男だな。」

「旦那ー、次はどうしよっかー?」


旦那は団子を振りながら、酷く嬉しそうに笑った。
俺もそれに続いて笑った。

傍から見ると酷く不気味だろう。


「次は...。」

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