君のままでいいよ【A3!】

9.いつもと違う帰り道 ページ10

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｢ 幸ちゃん、劇団に入ったんだね〜 ｣









帰り道、椋とオレの間で呑気に歩きながら呟くA。





アホみたいに車道と歩道の間のブロックの上を歩こうとしたのを止めたから少し不機嫌そうだった。









｢ 幸くんはね、衣装も作ってて凄いかっこいいんだよ ｣





｢ 幸ちゃん裁縫好きだもんね、幸ちゃんの衣装見たい ｣





｢ はいはい、後で見せてあげるから ｣









この２人は本当にオレのことを褒めちぎる。





居心地が悪いわけじゃないけど何だか変な感じがする。





あのポンコツとは大違いだななんて思ったりする。









｢ ねえ、幸ちゃん、家には帰ってる？ ｣









思ってもいなかった質問に一瞬固まったが、Aの表情を見たところそこまで何か考えてる訳ではないと思い、また前を向いた。





…いや、Aの事だから何かは考えてるんだろうけど。









｢ …あんまり帰ってない。稽古忙しいし ｣





｢ そっか〜、久しぶりに会いたかったんだけど ｣





｢ 公演に来ると思うしそしたら会えば ｣









そんな特に面白味もない会話をしているうちに寮に着いた。





Aに男ばっかりだということを告げると柄にもなく少し緊張していた。









｢ ただいま〜 ｣


｢ 帰りました〜！ ｣


｢ お邪魔します…！ ｣









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