6.再会 ページ7
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「 じゃあ今日から転入生、うちのクラスに来るから 」
担任のその言葉を聞くとすぐ、待ってましたと言わんばかりにクラス中が騒ぎ出す。
かっこいい男子がいいとか可愛い女子がいいとか…主に聞こえてきたのは前者の方だったけど。
ガラッ
古風なドアを開ける音とともにうちの学校より地味めなセーラー服を着たモデルのように手足の長い女子が入ってくる。
別に“可愛い女子”ではなかったが、オレはその人物を凝視する他なかった。
…オレはこの転入生を知ってる。
「 え〜っと〜…かっこいい男子でもなく可愛い女子でもなくてすいません。林坂Aです。林に坂道の坂って書いて“りんさか”です。よろしくお願いします〜! 」
拍手をされて少し照れたような笑顔。
あの時とは身長も髪の長さも違うけど、間違えなく林坂Aだった。
…オレを初めて認めてくれた人。
「 よし、じゃあ席は出席番号的に瑠璃川の後ろで 」
「 …え?…あ、はい! 」
Aはオレに気付いたようで驚きながらも他の席の間を通り抜けながらオレの後ろの席に辿り着いた。
「 幸ちゃん久しぶり!!よろしく!! 」
「 …久しぶり、よろしく 」
絶対に話しかけてくると思った。
そういうヤツだ、Aは。
あの時のようにロング黒髪ではないけどオレと同じくらいの長さも似合ってる。
「 何だ、瑠璃川と知り合いか? 」
「 あ、はい!幸ちゃんは幼馴染みみたいな感じで… 」
「 そうか、じゃあ瑠璃川が色々教えてやれよ 」
「 …はあ 」
勝手に話が進められる。
やっぱり朝の椋との話でフラグが立ってた。
縦横無尽な性格も変わってない。
「 まさか幸ちゃんと同じクラスだとは思わなかった〜 」
そう言うソイツは驚いた素振りよりもニヤニヤと口元を緩ませている。
…オレだって嬉しくないわけじゃないけど。
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心猫(プロフ) - 続き楽しみです!頑張ってください! (2017年7月20日 0時) (レス) id: cc0331ae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クム | 作成日時:2017年5月30日 17時