2.あの時とは違う ページ3
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「 …女装カフェじゃなくてお芝居。演劇公演のチラシ 」
「 演劇? 」
ぽかんと間の抜けた様な表情になるコイツら。
一気に畳み掛けてやる。
「 そう…今宵も語って聞かせましょう。めくるめく千の物語のその一つ… 」
「 …っ 」
「 な、なんだよ、急に 」
口元が引き攣り下手くそな笑い方しかできなくなっているコイツらに追い討ち。
「 …っていう感じのお芝居。はい、これあげるから、千秋楽絶対来てね? 」
「 へ、へー。演劇なら… 」
「 う、うん。女装カフェじゃないなら… 」
「 アリ… 」
「 アリだな… 」
「 よろしく〜 」
オレの猫被りが効いたのか全員圧倒された様子で大人しく帰っていった。
オレが可愛いんだからあんなんになるのは当たり前。
好きなもの好きって言ったって何も悪くない…ってそうアンタは教えてくれたし。
「 …はあ 」
「 幸くん…?」
でも、少しだけ、本当に少しだけ、キツかった、かな。
ああ言ってくれたアンタもいなくなったし。
…そんなこと言ってもしょうがない。
「 はい、終わり。チラシ全部捌けたから帰るよ 」
「 う、うん! 」
「 … 」
椋が何か言いたげだったが、スタスタと寮へと歩く。
…自分にウソついてない、これでいいんだよね?
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心猫(プロフ) - 続き楽しみです!頑張ってください! (2017年7月20日 0時) (レス) id: cc0331ae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クム | 作成日時:2017年5月30日 17時