12.回想:幼稚園 ページ13
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「 ゆ〜き〜ちゃ〜!!! 」
「 …なに 」
Aとの出会いは保育園だった。
全然覚えてないけど、保育園のときも幼稚園に上がってからもとにかくよくAがオレの名前を呼んではニコニコと話しかけてたらしい。
でも別に特別オレとすごく仲がいいということでもなくて、オレもそのときは友達が何人かいたらしく、いつも一緒なわけではなかったみたいだけど。
細かいことは親に聞いただけで全然覚えてないけどそのときからAは破天荒で縦横無尽なヤツだったのは覚えてる。
「 うえ〜〜〜ん!!Aちゃんが殴った!! 」
「 みーくんがななちゃんいじめたからでしょ!!やめなよっていってもやめないから!! 」
「 こーら、Aちゃん。いじめてたからって殴っちゃダメでしょ? 」
Aはよくいじめられてる子を助けてた。
…いや、いじめてる子を懲らしめてた。
幼稚園の先生に注意されてもいじめっ子を懲らしめるのをやめなかった。
Aはいつも先生に注意される時に言ってたことがある。
オレはなぜかその言葉は覚えてる。
「 でもせんせい、いじめたらいじめられるんだよ、いんがおうほうだよ 」
その年にして自業自得でもなく因果応報という言葉を知っていたAにどの先生も驚愕して言葉を失ってしまっていた。
Aは普段は他の子とは変わらないくらい…いや、他の子よりも幼さがいっぱいで明るくて元気で、幼稚園児としては申し分ない園児だった。
でも時々、大人をも黙らせてしまうような発言をする、“大人よりも大人”な園児だった。
今でもあの明るく元気な中にそれは垣間見える。
そのときはそんなことオレには関係なかったし、気にもしてなかった。
オレとAが幼馴染みらしくなり始めたのは小学校2年の頃だった。
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心猫(プロフ) - 続き楽しみです!頑張ってください! (2017年7月20日 0時) (レス) id: cc0331ae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クム | 作成日時:2017年5月30日 17時