11.アイツの話を ページ12
:
「 監督 」
「 あれ?幸くん、一緒に部屋行ってなかったの? 」
「 いや、オレは少女漫画そんなに詳しくないし 」
キッチンで夕飯…まあどう見てもカレーなんだけど、それを作っている監督に声をかけた。
監督はカレーを煮込みながらまたもや何かを考える素振りをしていた。
「 …何 」
「 あ、いや。幸くんってあんなに仲良い幼馴染みいたんだと思って 」
…確かに普通に考えてあんなに人当たりが良くて思いっきり人気者になれるAとオレが幼馴染みで仲がいいなんて変だけど。
「 アイツ、オレと全然違うんだよね 」
「 え? 」
「 そこそこ素直だし、人当たりもいいし、無駄に元気で明るいし、まさに人気者って感じ、あとうるさくてしつこい 」
「 それは確かに幸くんとは違うね 」
オレの言葉に頷いて苦笑いをする監督。
その場しのぎでそんなことないよと否定しないところは監督もAと似たところがある、嘘をつかないっていうか。
「 …まあオレがこうやってありのままいられるのもAのおかげなんだけどね 」
「 …? 」
「 いや、昔の話 」
そう言うと監督は好奇心を一杯に込めた目でこっちを見てくる。
( …しょうがない )
「 はあ。…お茶入れたら話す。カレーの火止めて座って 」
「 あ、うん! 」
:
128人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
心猫(プロフ) - 続き楽しみです!頑張ってください! (2017年7月20日 0時) (レス) id: cc0331ae79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クム | 作成日時:2017年5月30日 17時