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そう信じた通り、潔 世一という男子高校生はとても強いストライカーになった。
「すごいわねえ。世一くん。あんたと同じ学校だったんでしょ?」
「うん、そうだよ」
朝のリビング。テレビで流れるニュース番組のスポーツコーナーでは、「ブルーロックプロジェクト」のことが取り上げられていた。
アナウンサーが「潔選手」と原稿を読むのも、これまで同じ学校の男の子の話なんてしたことのない母が「世一くん」と名前を出すのも、もう慣れた。
世一くんが招集されたのは、世界一の
そしてそのプロジェクトから選出されたメンバーとU-20日本代表との試合が先日行われ、なんとブルーロックのチームが勝利。
得体の知れないプロジェクトがU-20を超えたとサッカー界に激震が走った……。
サッカーのことは齧った程度の知識しかないけれど、そのお祭り騒ぎの盛り上がり様は私に稀な出来事だったのだと理解させるのには充分だった。
そしてそのブルーロックのチームのメンバーに、世一くんは選ばれていて、チームの勝利を決定的にしたゴールを決めた。
潔選手のシュートシーンは、何度も何度もテレビで、動画サイトで、ネットのまとめ記事で、ラジオで、街のネオンで、何度も何度も何度も何度も見たし聞いた。
「世一くん」は、日本中が…いや、世界が注目する「潔選手」になった。
サッカーをする彼は相変わらず流星みたいだった。
でも、そんな彼がシュートを決めた後、私だけに微笑むことが、私だけにピースサインをして見せてくれることがあるのだろうか?
自分以外の誰かひとりの為にシュートを決めて喜ぶストライカーは、果たしてブルーロックの生み出したエゴイストなのだろうか?
画面越しに見るそれは私が好きだった「世一くん」なのか、分からなくなった。
「A、久しぶり」
「うん。久しぶりだね」
「元気だった?」
目の前には、私服の世一くん。私は制服。
二人でカフェに入った。
数日前突然連絡がきたと思ったら、ブルーロックでお休みを貰えたから今度会わないかという誘いだった。これまで既読がつかなかったのはスマホが回収されていたからだったらしい。
二つ返事で誘いを了承して、学校帰りすぐに会いに行くことにした。
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夜 - いつも素敵なお話ありがとうございます!リクエストなんですが、糸師冴さんで男主くんの話を書いて欲しいです。暗い話で冴さんがヤンデレな感じで。注文が多いですがよろしくお願いします! (8月6日 20時) (レス) id: 539b005b10 (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 加糖雪さん» 素敵なお話ありがとうございます!! (8月2日 12時) (レス) @page37 id: e7fc63ae3c (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - りりあさん» りりあ様こんにちは。リクエストいただいていた内容の作品を追加させていただきました!リクエストありがとうございました〜! (8月2日 8時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» なんと!素敵な夢をみていらっしゃる…!リクエストありがとうございます。お待たせしてしまうかもしれませんが承りましたのでしばらくお待ちください…! (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» 返信遅くなってすみません!そうですね、束縛、独占欲の表現として三つ編みを用いていました(*˘︶˘*)ただ蘭世本人は無自覚かな?と思ったり思わなかったり…色々考えながら読んでいただけると嬉しいです^^ (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2023年7月19日 3時