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そんな分析屋で、サッカーのプレーから羊の心の方まで読み解いてしまった烏と羊は自然と仲良くなっていった。


 そんな中、羊には気になることがひとつ。

 烏はカラスの紹介で自分に近づいてきたのだろうか。

 また別の日の練習終わり、帰路の途中で気になっていたことを尋ねれば、




 「はあ?そんなやつ、知らんけど」

 「……え?」

 「おまえ、なんか化かされてたんとちゃう?」

 「そんなわけ、…ファミレスのレシートだって確かに残っとるし」

 「なはは、不思議なこともあるもんやなあ」


 真剣な羊をよそに、烏はまったく真に受けない。
 そりゃ羊だって、逆の立場なら信じられないと思う。
 オレンジ色が藍色に侵食されていく空。飛んでいくカラスの群れも、カァカァと騒がしく鳴いて、まるで羊をアホだと言っているようである。



 「わ、笑い事じゃ……ソイツだってぼくのことエ ロいって言わはったし」




 烏はファミレスのカラスのことなんかちっとも知らなかった。
 じゃあ、カラスは一体何者で、あの金曜日のファミレスの時間は何だったというのだろうか?




 「……そや、烏くん」

 「ん?」

 「烏くんは、マヨネーズっぽいって言われたことない?」

 「なんや急に脈絡なさすぎやろ……ドン引きやわ」

 「……あはははっ」



 なんだかおかしくて、夕暮れのなか羊は笑っていた。烏にドン引きされながら。頭上のカラスにはまだ鳴き声で笑われながら。


 サイドストーリーは終わってしまったけれど、サイドストーリーはサイドストーリーの中で、メインストーリーに関係するヒントを確かに残したのだなとそういう風に納得することにした。


 この後、とんでもなく変わり種の調味料(ブルーロック)が羊の世界を変えていくことになるのは、また別のお話。








「ゆるやかにしんでいく」fin

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設定タグ:ブルーロック , 短編集   
作品ジャンル:アニメ
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- いつも素敵なお話ありがとうございます!リクエストなんですが、糸師冴さんで男主くんの話を書いて欲しいです。暗い話で冴さんがヤンデレな感じで。注文が多いですがよろしくお願いします! (8月6日 20時) (レス) id: 539b005b10 (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 加糖雪さん» 素敵なお話ありがとうございます!! (8月2日 12時) (レス) @page37 id: e7fc63ae3c (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - りりあさん» りりあ様こんにちは。リクエストいただいていた内容の作品を追加させていただきました!リクエストありがとうございました〜! (8月2日 8時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» なんと!素敵な夢をみていらっしゃる…!リクエストありがとうございます。お待たせしてしまうかもしれませんが承りましたのでしばらくお待ちください…! (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» 返信遅くなってすみません!そうですね、束縛、独占欲の表現として三つ編みを用いていました(*˘︶˘*)ただ蘭世本人は無自覚かな?と思ったり思わなかったり…色々考えながら読んでいただけると嬉しいです^^ (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星藍 海 | 作成日時:2023年7月19日 3時

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