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「んじゃ、また来週」
「ん。また」
そして、羊に背を向け街灯の灯りを縫うようにローファーを小さく鳴らして歩き去っていく。纏った黒の制服が先の闇へ紛れていくその様は、カラスを思い起こさせた。
羊もそんな様子をしばらく眺めた後、背を向けて逆の方向へと歩き出す。
真っ黒な髪、真っ黒な制服、真っ黒なローファーのソイツと羊が出会ったのは、今から少し前。
サッカーの練習終わりにこの道を歩いてファミレスの前を通りがかった時、そこから黒いものが飛び出してきた。
真っ黒で、素早くて、広がった制服と髪の毛は羽のようで。
ソイツだった。
ソイツは、まるでカラスだった。
「ちょっ、ごめん、初対面でほんとにごめんなんだけど、同じ高校生だし、道端で怪我した動物助けると思って、あの、お金貸してください」
制服の裾を掴まれ、まくし立てられ、そのまま深々頭を下げられた。帰宅ラッシュということもあり、男子高校生が他校の高校生に思い切り頭を下げられている図は道行く人たちの目におもしろおかしく映っていたであろう。
明らかな周りの視線に耐えかねて、とりあえず引かれるままファミレス店内に。聞けばチーズドリアの会計にお金が足りなかったらしい。それもたった4円だけ。
「マッッッッジでありがとうございました。このご恩は一生忘れません」
「いやあの、もうええから。とりあえず頭上げてくれへん？」
先程と同様深々と頭を下げられ、またも周りから変な目を向けられそうになり羊は焦る。
相手は素早く頭を上げ、目を合わせ。
「はい。一生かけてお礼させてください」
「一生はかけんでええよ。…それより、…ぼくが財布持ってなかったらどうするつもりやったん」
「いや。確信があったので」
「確信？」
「この人はお金を持っているだろうって」
「やな確信…」
たしかに羊のうちはそこそこ裕福な方ではあるだろうが。
「それにしても、本当に助かりました。家までお金取りに戻らなくて済んだし」
「それは良かった」
「それで、お礼は何をしましょう」
「…はあ。んー。お礼か」
羊は考えた。せっかく人助けをしたならお礼くらい貰っておいても……出したのはたったの4円だが、その直前の唐突さを考えれば……それも流されるままだったけれども……。
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夜 - いつも素敵なお話ありがとうございます！リクエストなんですが、糸師冴さんで男主くんの話を書いて欲しいです。暗い話で冴さんがヤンデレな感じで。注文が多いですがよろしくお願いします！ (8月6日 20時) (
レス) id: 539b005b10 (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 加糖雪さん» 素敵なお話ありがとうございます！！ (8月2日 12時) (レス) @page37 id: e7fc63ae3c (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - りりあさん» りりあ様こんにちは。リクエストいただいていた内容の作品を追加させていただきました！リクエストありがとうございました〜！ (8月2日 8時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» なんと！素敵な夢をみていらっしゃる…！リクエストありがとうございます。お待たせしてしまうかもしれませんが承りましたのでしばらくお待ちください…！ (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» 返信遅くなってすみません！そうですね、束縛、独占欲の表現として三つ編みを用いていました(*˘︶˘*)ただ蘭世本人は無自覚かな？と思ったり思わなかったり…色々考えながら読んでいただけると嬉しいです^^ (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星藍 海 | 作成日時：2023年7月19日 3時
