L ページ37
そうか。
私はゆっくり凛の頬を包んだ。
そのまま引き寄せて、唇を重ねる。
半開きになった口から、凛の吐いた息が私の口の中に送られてくる。
一度唇を離してみれば、凛はその大きな目を零しそうなくらい見開いて私を見ていた。
そうだった。
凛がこんな風に私にぎりぎりと力を加えるようになったのは、めちゃくちゃにしたいと思うようになったのは、冴くんが居なくなってからだ。
私は彼の中の衝動をぶつけられるサッカー以外の対象だったのだ。
凛の手の力が抜けていく。
喉を通って肺に空気が入ってくる。
ヒュ、と自分の身体から音がした。
「っかは、っふ、けほっ、」
「A…っ」
「だ、っ大丈夫……」
息を整えて、それからまた凛を見つめる。
「……ねえ凛」
私を衝動のはけ口として見てくれてた、それなら。
「私をぐちゃぐちゃにしたいならさ、」
きっと、それを受け止められるのも、
「こっちの方が良いんじゃない……?」
私は自分の制服のスカートを捲りあげる。
顕になった脚の方へ凛の視線が向けられ、息を飲む音がした。
「私、凛になら、どうされてもいいよ」
「……っ!」
食べるみたいなキスをされる。
私たちはぐちゃぐちゃになっていく。
苦しいし、痛くもされるし、どんどん凛の手で乱されて、私を崩されていく。でもそれが気持ち良かった。
「はは、Aっ……好きだ……好き…………もっと、壊れろ……っ」
凛の恍惚とした笑みに、愛しい気持ちが込上げる。
剥がした制服も布団もベッドのシーツもシワを作って端へ追いやられてしまった。
いくらでも壊していい。
私だけ…
この恐ろしくて、くらくらしてしまう破壊衝動。
それを受け止めてあげられるのは私だけだから。
お互いをきつくきつく抱きしめ合って、お互いの境目も分からなくなるくらいくっついて、そうして私たちはどこまでも堕ちていく。
「元のかたちも忘れてしまって」fin
ゆるやかにしんでいく【氷織羊】→←元のかたちも忘れてしまって 【糸師凛】※リクエスト
34人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜 - いつも素敵なお話ありがとうございます!リクエストなんですが、糸師冴さんで男主くんの話を書いて欲しいです。暗い話で冴さんがヤンデレな感じで。注文が多いですがよろしくお願いします! (8月6日 20時) (レス) id: 539b005b10 (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 加糖雪さん» 素敵なお話ありがとうございます!! (8月2日 12時) (レス) @page37 id: e7fc63ae3c (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - りりあさん» りりあ様こんにちは。リクエストいただいていた内容の作品を追加させていただきました!リクエストありがとうございました〜! (8月2日 8時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» なんと!素敵な夢をみていらっしゃる…!リクエストありがとうございます。お待たせしてしまうかもしれませんが承りましたのでしばらくお待ちください…! (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» 返信遅くなってすみません!そうですね、束縛、独占欲の表現として三つ編みを用いていました(*˘︶˘*)ただ蘭世本人は無自覚かな?と思ったり思わなかったり…色々考えながら読んでいただけると嬉しいです^^ (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星藍 海 | 作成日時:2023年7月19日 3時